指す将順位戦A級1組 1回戦 vsあべしさん (2)

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第10図(再掲)

第10図から
△同歩 ▲14歩 △89飛成 ▲13桂 (第11図)

端攻めは後手からすれば最も怖いところです。

感覚的に△同歩の一手ですが、1分10秒も使っています。

ここは優勢を意識して、慎重になり過ぎています。

対して▲13歩が一般的ですが、▲14歩〜▲13桂がなるほどの手順。

先手の角が13まで利いていることで、例外的に有効となっています。

次は▲21桂成〜▲13歩成の単純な狙いですが、受け切るのは不可能です。

攻め合いの姿勢で望みます。

第11図から
△16桂 ▲17玉 (第12図)

△16桂は後手期待の反撃。

対して(1)▲同香 (2)▲17玉のどちらも有力です。

対局中は(1)▲同香△同歩▲21桂成△14香▲13角成以下の変化をずっと追っていました。(下図)

結局追いきれなくなり、△16桂と見切り発車で放ちましたが、あっさり▲17玉とかわされました。

この辺の時間の使い方が下手で、△16桂に3分も使った結果、時間面でのリードは吹き飛びました。

第12図から
△87龍 ▲46角 △13香 ▲同歩成 △34桂 (第13図)

ここでの後手の目標はただ1つ。

「角か銀をもらって28に放り込むこと」です。

その達成のため、執拗に角を追いかけ回しています。

△34桂は味の良い手で、角取りだけでなく26の地点を塞いで、先手玉への包囲網を築いています。

上図から単に▲91角成としてくれれば、△13桂が次に△25桂をみた攻防手になります。

第13図から
▲23と △同玉 ▲25香 △32玉 ▲91角成 (第14図)

しかし相手も強者、▲23と〜▲25香が当然とは言え、好手順です。

これで後手玉の上部を押さえて、将来の△25桂のスペースも消しています。

ただしここは私も読み筋通り。

13の桂を取る時に△13桂▲同歩成と桂馬を渡していると、▲25香に代えて▲35桂△32玉▲14角△42玉▲43桂成で寄せられます。

時間を使ってはいますが、この辺りは間違えずに集中して指せています。

第14図から
△85龍 ▲14角 △42玉 ▲46香 △52金右 ▲23香成 (第15図)

△85龍は使えていない竜の活用。

対して▲14角が絶品の角打ちで、上図まで進めば先手が良くなったようにも見えます。

次の▲32銀が厳しい狙いになっています。

しかし、私は次の手を狙っていました。

第15図から
△22歩 ▲同成香 △24飛 (第16図)

まずは△22歩と成香の頭を叩きます。

ここからは1分将棋です。

▲同成香で角道が通ってお手伝いのようですが、そこで△24飛が狙い澄ました一手。

22の成香と14の角の両取りで、先手玉にも睨みを利かせています。

第16図から
▲23角成 △同飛 ▲同成香 (第17図)

両取りを防ぐには▲23角成の一手です。

△同飛▲同成香と進んで、次に▲22飛の厳しい狙いが生じています。

一方で後手も待望の角を手に入れました。

第17図から
△28角 (第18図)

△28角と放り込んで、詰む・詰まないが複雑に絡まり合う最終盤に突入します。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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