指す将順位戦A級1組 2回戦 vsゆきさん(3)

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第8図を再掲します。

第8図から
▲24飛 △25歩 (第9図)

△25歩はかなり突っ張った指し方で、先手の飛車を何としてでも取ってやろうという手です。

代えて△22歩▲同歩成△同銀の穏便策と、△22歩▲同歩成△同飛の決戦策も考えましたが、どちらも冴えないと判断しました。

本譜はこの後に良くなる手順を描いていました。

第9図から
▲16歩 △12角 ▲15歩 △23角引 (第10図)

▲16歩は△15角を消しつつ後手の角を追う盤上この一手。

△12角と放すのでは自信がないようでも、第10図は次に△22飛の一撃を狙っています。

次に△67角成▲同金△24飛の狙いですが、先手はまともな受けがありません。

第10図から△22飛を防ぐのも難しいので、これはうまくやったと思っていましたが…

第10図から
▲14歩 (第11図)

▲14歩で青ざめました、完全にうっかりです。

△同歩と取るのは▲13歩で角がタダです。

緊迫した状況ですが局面は既に60秒の秒読み、迷っている時間はありません。

第11図から
△22飛 (第12図)

大駒2枚がまとめて虐められそうなところに、3枚目を集合させました。

並々ならぬ手ですがおそらく最善手で、どうやらこれで後手有望というのが感想戦の結論でした。

対して自然な▲13歩成は△67角成▲同金△同角成▲同玉△24飛で鮮やかにカウンターが決まります。

第12図から
▲23飛成 △同角 ▲13歩成 (第13図)

先に飛車を切り飛ばすのが当然の好手で、上図となっては先手の攻めが決まっているように見えます。

対局中も△82飛からどうやって粘るかを考えていました。

第13図から
△同香 ▲同香成 △18飛 (第14図)

そこに偶々落ちていたというのが正しい表現でしょう。

残り20秒で△18飛を発見しました。

この一手で形勢逆転です。

第14図から
▲38銀 △13飛成 (第15図)

上図まで進んで、一連の流れを駒損せずに乗り切ることができました。

大駒3枚も存分に働いてくれそうで、はっきり後手優勢となりました。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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