指す将順位戦A級1組 1回戦 vsあべしさん (1)

持ち時間は15分ー60秒

私が後手です。

初手から
▲56歩 (第1図)

今回は対戦相手が決まっているので、ある程度戦型を予想し対策を立てていくことに決めていました。

ところがあべしさんの棋譜が全く見つからず、データがない状況で実戦へ。

居飛車か振り飛車かもわからないまま後手番をもらいましたが、初手にて自己紹介して頂きました。

対中飛車はかなりの研究と実践経験があり、自信がありました。

第1図から
△84歩 ▲76歩 △85歩 ▲77角 △54歩(第2図)

5筋の位を取らせずに戦うのが好きな指し方です。

ここでは▲88飛の向かい飛車もありますが、迷わず中飛車にされました。

相手も自信を持っている様子です。

第2図から
▲58飛 △62銀 ▲48玉 △42玉 ▲68銀 △32玉 ▲57銀 △42銀(第3図)

角道を開けずに駒組みを進めるのが、もう5年以上愛用している形です。

第3図から
▲38玉 △53銀左 ▲28玉 △64銀 ▲66銀 △31角 (第4図)

左銀を繰り出し引き角に構える「鳥刺し」という戦法で、対四間飛車がメジャーですが、対先手中飛車としてもかなり有力です。

第4図から
▲38銀 △74歩 ▲16歩 △14歩 ▲78飛 △73桂 (第5図)

上図は先手中飛車vs鳥刺しの1つの基本形。

端歩の関係を無視すれば100局は指しています。

ここから▲68角と▲58金左がありますが、どちらも△65銀と仕掛けます。

第5図から
▲58金左 △65銀 ▲同銀 △同桂 ▲68角 (第6図)

銀交換を達成しつつ、桂馬を前線に送り出します。

この桂馬はいずれ取られる運命ですが、その間に飛車先を突破します。

ここで△69銀が目につきますが、罠

以下▲88飛△58銀成▲同金と進み、次の▲66歩を見せられて困ります。(下図)

第6図から
△86歩 ▲同歩 △87銀 ▲79飛 △88銀成 ▲59飛 △86角 (第7図)

△87銀〜△88銀成が知らないと指しにくい順。

重い形ですが、先手の飛車を封じ込め、後手だけ飛車が成れれば良くなります。

上図から▲46角には△64角とスイッチバックする手がぴったり。

▲86同角△同飛▲66歩△99成銀が予定の進行でしたが、次の手で研究から外れます。

第7図から
▲66歩 (第8図)

単に▲66歩と突かれました。

△68角成▲同金の形になった方が59の飛車が使いやすいという判断です。

なるほどと思いましたが、次の手がピッタリでした。

第8図から
△57桂成 (第9図)

取られそうな桂馬を成り捨てるのが気持ちの良い一手。

以下▲同金は△68角成があり、▲86角も△58成桂で駒得です。

先手は▲同角の一手です。

第9図から
▲同角 △59角成 ▲同金 △78成銀 ▲15歩 (第10図)

△78成銀となって、飛車の成り込みと駒得が確定しました。

形勢は後手有利。

消費時間も▲6分△3分と上々の序盤戦です。

とは言え美濃囲いは綺麗に残り、まだまだこれからの勝負。

▲15歩が反撃の狼煙で終盤戦が幕を開けます。

次回の記事

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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