端角中飛車の鎮め方(1) 〜端角中飛車対策△63金型〜

奇襲戦法の対策に必要な要素は何だと思いますか?

それは明快さ再現性コストの少なさです。

嬉野流対策では明快さを追求しつつ、コストを出来る限り削りました。

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今回は明快さに目を瞑り、再現性とコストの少なさに振り切った端角中飛車対策を紹介します。

真正面からぶっ潰すことは出来ませんが、
①5筋の歩交換を許さない
②端角の利きを歩で止める
の2つを達成することで、端角中飛車の威力を削ぎ落とします。

初手から
▲56歩 △84歩 ▲96歩 △85歩 ▲97角 (第1図)

▲97角で後手の歩交換を防ぎつつ、中央突破を狙うのが端角中飛車の狙いです。

上図では手拍子で△62銀と上がりそうなところですが、ここで工夫します。

第1図から
△52金右 (第2図)

△52金右と金で受けるのが肝です。

意味は2手後に分ります。

第2図から
▲55歩 △64歩 (第3図)

△64歩とただのところに突き出すのが狙いの一手。

この手を指すための直前手△52金右でした。

▲64同角と飛びつくのは△62飛で後手優勢です。

先手はこの歩を取れません。

第3図から
▲58飛 △63金 (第4図)

▲58飛に△63金で5筋の受けが間に合います。

これにて冒頭に示した
①5筋の歩交換を許さない
②端角の利きを歩で止める
の2つを達成しました。

こうなってしまえば、端角中飛車は「嫌な戦法」ではなくなります。

奇襲戦法相手に「存在」を否定しに行くと反発されるので、「主張」を否定しに行くのがコツです。

端角中飛車のインスタント対策としては上図で出来上がり。

ここから局面を有利に運ぶ具体的な方法については次回で解説します。

△64歩の実践例はこちら

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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