33金型早繰り銀(14) ~先手37桂型.7~

↓前回の記事

第3‐15図まで戻ります。

前回まで上図で22歩と受ける穏やかな展開を見てきました。

しかしここでは23歩成を受けない驚愕の手順が存在します。

33金型早繰り銀の中で最も激しい展開を見ていきましょう。

第3‐15図から
△35歩 (第3‐21図)

35歩が常識外の攻め

なんと言っても先手は23歩成と2筋を突破できるのです。

25歩~24歩と進んだ歩がそのまま23に成れることはそうそうありません。

むしろここで先手が45歩と怯むのは弱気で、以下86歩同歩同銀同銀同飛87歩に27歩と打たれてしまいます。

これは22歩と謝らなかったのが存分に活きています。

先手としても覚悟を決めて23歩成と踏み込むしかないようです。

第3‐21図から
▲23歩成 △36歩 ▲45桂 (第3‐22図)

36歩に同銀は同角33と27歩で後手良し

45桂と歩頭に跳ねるのが手筋で、同歩と取らせることで後の36角を消しています。

なお45桂に37歩成は53桂成28と54成桂で次に53角が厳しく残り先手優勢です。

第3‐22図から
△同歩 ▲33と △37歩成 ▲23飛成 △47と ▲43と (第3‐23図)

45同歩以降は一直線の攻め合いです。

43とは味の良い活用で次は53とよりも21飛成が厳しい攻めになります。

第3‐23図から
△76歩 (第3‐24図)

先手としてはこの後68玉~79玉と逃げるのが一番耐久力のある形です。

それを阻止すべく後手はぎりぎりのタイミングで76歩を利かしにいきます。

上図から(1)68銀(2)88銀(3)21飛成を順に見ていきます。

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33金型早繰り銀(13) ~先手37桂型.6~

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第3-16図から(2)35同歩を見ていきます。

なんとも堂々とした一着ですが、先手は余せると見ています。

第3-16図から
▲同歩 △86歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同飛 (第3-18図)

後手は35歩を利かせたので銀交換に踏み切ります。

ここで88歩と受けるのは36歩75角37歩成86角に42銀が冷静な一手で後手良しです。

先手は甘い受けは許さません。

第3-18図から
▲87歩 △同角成 ▲同金 △同飛成 ▲98角 (第3-19図)

87歩は数が足りていませんが、先手を取るこの一手の受け

後手は当然同角成から踏み込みます。

対して98角が切り返しの攻防手

28飛の横利きが通っている+43に歩がいないという条件では、87飛成に98角が常にカウンターとなります。

第3‐19図から
△67龍 ▲58銀打 △78龍 ▲21角成 △32銀 ▲31馬 △36歩 (第3‐20図)

この辺りは一直線の進行でお互いに変化の余地がありません。

36歩が手筋の攻めで、同銀は46金が受かりません。

これを取れないのでは決まったようですが

第3‐20図から
▲42角 △62玉 ▲53角成 △72玉 ▲48玉 △37歩成 ▲同玉 (結果図)

42角~53角成で上部を厚くしておいて48玉がいい頑張り

結果図となっては先手玉は簡単に寄りません。

一方で先手も桂1枚しか持っていない為、後手玉に直接迫る手段はありません。

32銀・33金の塊を取りに行きたいところですが、34歩同金32馬などと安易に進めるのは、36歩から先手玉が寄ってしまいます。

先手が安全度を保ちながら上部を厚くする手段があるかどうかといったところで、結果図は難解としか言いようがありません。

長い終盤戦が予想されます。

第3‐16図から(2)35同歩は8筋からの突破を許しますが、手段を尽くせば先手玉はすぐに寄らず、難しい終盤戦を迎えます。

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33金型早繰り銀(12) ~先手37桂型.5~

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テーマ図Cから(b)47銀を見ていきます。

この構えが先手の最善形、ラスボスです。

ここから先はどこまで行っても難しく、今のところ「先手良し」「後手良し」の結論を出せていません。

先手が33金型早繰り銀を否定しに行くならこの局面から始めることになるでしょう。

そしてその先に先手良しが確立できなければ、それは33金型早繰り銀が戦法として成立していることを意味します。

現時点での私の見解を述べていきます。

テーマ図Cから
▲47銀  △75歩 ▲同歩 △同銀 (第3-13図)

47銀には54角を打たずに単に75歩が勝ります。

37角の隙があるので「角を持っていること」それ自体が先手の攻めを牽制している為です。

上図から48金と上がるのは54角として、テーマ図Cから(a)48金の変化に合流します。

同様に駒組を進める58金や38金、29飛などは全て54角と打って後手十分の戦いが見込めます。

したがって先手は上図から反撃します。

第3-13図から
▲24歩 △同歩 ▲25歩 (第3-14図)

十字飛車を狙って24歩~25歩の継ぎ歩攻め

45歩同歩同桂が利かない先手はここから行くしかありません。

第3-14図から
△54角 ▲24歩 (第3-15図)

54角についてはもう説明不要でしょう。

盤面全体を見渡す急所の位置です。

24歩と取り込んだ第3-15図、ここから後手は穏やかな展開と激しい展開を選べます。

穏やかな展開から見ていきましょう。

第3-15図から
△22歩 ▲45歩 △35歩 (第3-16図)

22歩は23歩成を受けて当然の一手です。

角筋を緩和する45歩にも35歩と突っ掛けて桂頭に傷を作りにいきます。

上図から(1)46角 (2)35同歩 を順に見ていきます。

第3-16図から
▲46角 △64銀 ▲35角 (第3-17図)

46角から35角は桂頭に傷を作らない指し方です。

次に56歩と突いて角が安定すると作戦負けなので、後手は角を取りに行きます。

第3-17図から
△34金 ▲44角 △同金 ▲同歩 (結果図)

34金で角の適当な逃げ場所がありませんがそれは先手も織り込み済み

44角と切り込んで結果図

先手は駒損ですが次に23歩成の確実な攻めがあります。

難しい形勢ですが、後手がやや忙しい局面と言えるでしょうか。

第3-16図から(1)46角とすれば結果図までは進みそうです。

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33金型早繰り銀(11) ~先手37桂型.4~

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第3‐2図に戻って(2)55角を見ていきます。

第3‐2図から
▲55角 △64銀 ▲66角 (第3‐5図)

55角に73歩と受けるのは74歩と合わされると結局64銀と手が戻ります。

そこで64同角同歩73歩成同桂74歩のような選択肢を与えるので、後手としては単に銀を引いた方が無難でしょう。

上図まで進んで先手は手番を渡しましたが、後手の銀を撤退させることに成功しました。

機を見て45歩の仕掛けを狙っています。

第3‐5図から
△72飛 ▲56歩 △75銀 (第3‐6図)

後手は盤上の角をいじめにいきます。

上図から55角は64銀66角75銀で千日手

先手が千日手を回避したらどうなるでしょう

第3‐6図から
▲57角 △86歩 ▲同歩 △同銀 ▲76歩 △77銀成 ▲同桂 △76飛 (結果図)

57角には78金が浮いている為、86歩同歩同銀が利きます。

歩得で銀を捌いた結果図は後手優勢

第3‐6図となっては先手からの打開は難しいようです。

したがって(2)55角は後手が望めば千日手に持ち込めます。

とここで締めてもいいのですが、折角なので後手からの打開策も考えてみましょう。

33金型早繰り銀特有の手筋がたくさん出てきます。

第3‐5図から
△35歩 (第3‐7図)

35歩、行くならここしかありあません。

54角と設置して1歩持ったら常に35歩が狙いとなります。

次の36歩を受ける手段として(α)45歩(β)26飛を順に見ていきましょう。

第3‐7図から
▲45歩 △同歩 ▲35歩 △46歩 ▲同銀 △44歩(第3‐8図)

46歩~44歩が歩を下げる面白い手筋

これで次の36歩を狙います。

第3‐8図から
▲34歩 △同金 ▲36歩 (第3‐9図)

先手は受けが難しいようですが34歩~36歩がお返しの手筋

これで桂頭の傷はひとまず消えました。

後手は73桂なども有力ですが…

第3‐9図から
△42飛 ▲26飛 △45歩 ▲35銀 △同金 ▲同歩 △46歩(結果図)

ここでも42飛のぶんまわしが面白い攻めです。

結果図から45歩には47銀49金36歩、43歩同飛44歩には33飛でどうか

11角成が厳しいようでも、21の桂には角の紐がついています。

結果図は後手の方がやや勝ちやすいように見えます。

第3‐7図から(α)45歩にはこのような展開が予想されます。

第3‐7図から
▲26飛 △34金 (第3‐10図)

(β)26飛と浮き飛車で受けるのには34金でじわっと圧力をかけておきます。

対して45歩には33桂が幸便で以下44歩に46歩のカウンターが決まります。

第3‐10図から
▲24歩 △36歩 ▲同銀 △24歩 ▲35歩 △25歩 (第3‐11図)

24歩の突き捨てには注意が必要で、単に同歩と取ると以下35歩同金24飛36歩44角で大捌きを食らいます。

36歩同銀と呼んでから24歩が正着で第3‐11図から29飛と引く手を消しています。

第3‐11図から
▲同桂 △36角 ▲34歩 △35銀 ▲29飛 △27歩 (第3‐12図)

なんとも派手な手順が続きます。

36角に同飛は25金39飛36桂で後手良し

35銀で44角を消して、27歩で飛車を抑えつつ桂取りです。

第3‐12図から
▲33桂不成 △22飛 ▲21桂成 △同飛 ▲22歩 △同飛 ▲33歩成 △24飛 (結果図)

33桂不成に22飛と今度は2筋まで飛車をぶんまわします。

結果図となって簡単ではありませんが、やはり狙いの分かりやすい後手の方が勝ちやすいと言えるでしょう。

(β)26飛には34金から飛車を圧迫して後手も十分戦えそうです。

第3‐5図からは35歩と千日手を打開する手も成立しています。

以上をもってテーマ図Cから(a)48金には54角~75歩と仕掛けて後手良しとします。

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33金型早繰り銀(10) ~先手37桂型.3~

↓前回の記事

テーマ図Cを再掲します。

42玉型(テーマ図B)との大きな違いとして
①45歩~44歩が厳しくならない
②飛車が2筋まで通っていて、22飛や42飛が有効になりうる
の2点が挙げられます。また一方で
①駒組に進展性がない
②53歩が浮いている(86飛に75角の筋がある)
といった欠点もあります。

なお玉が51にいる為、33の金は「守り駒」ではなく「先手右辺を抑える駒」として働かせます。

場合によっては34金や44金として先手の飛角に圧力を加えていく展開も十分に考えられます。

54角を司令塔として先手左辺を突破するだけでなく、右辺から反発・制圧するような展開も視野に入れるのが指しこなすコツです。

テーマ図Cからは(a)48金 (b)47銀の二つの手が考えられます。

(a)48金から見ていきます。

テーマ図Cから
▲48金 △54角 (第3‐1図)

(a)48金には浮いている歩を狙って54角が有効になります。

上図で45歩と突くのは大悪手で以下同歩47銀42飛で将棋が終わります。

うっかりしやすい筋なのか、実戦では少なくない頻度で45歩と突かれるのでありがたく頂きましょう。

第3‐1図から
▲47銀 △75歩 ▲同歩 △同銀 (第3‐2図)

歩を支える47銀に75歩から進軍します。

次に86歩同歩同銀となれば8筋の突破が見えてきます。

先手としてはここで
(1)45歩:攻め合いを目指す
(2)55角:後手の攻めを牽制して受けに回る
の二通りの方針が考えらるので、順に見ていきます。

第3‐2図から
▲45歩 △86歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同飛 ▲88歩 (第3‐3図)

(1)45歩は攻め筋としては有力なのですが、タイミングが一手遅れている上に44歩が後手玉から遠いため迫力に欠けます。

前記事の第2‐4図(下図)と比べると厳しさがまるで違います。

第3‐3図から
△35歩 ▲77銀 △82飛 ▲35歩 △87歩 ▲76歩 (第3‐4図)

35歩と今度はこちらを狙います。

54角・86飛の形で攻めるのは75角を気にしないといけないのですが、この場合は76飛が切り返しとなるので問題ありません。

8筋を突破されてはもたないので、先手は必死の防戦です。

第3‐4図から
△45歩 ▲87歩 △39銀 ▲38飛 △48銀成 ▲同飛 △42飛 (結果図)

45歩と戻すのは甘いようですが後手には狙いがありました。

39銀から削って42飛が気持ちの良い大転回

先手が7筋に駒を投資したので逆から攻めるのは理にかなっています。

結果図は後手優勢、3-4筋を絡めて攻められると受かりそうにありません。

また後の68玉と逃げる手には88歩がぴったりの退路封鎖になります。

第3-2図から(1)45歩はぬるく、後手からの攻めが厳しく刺さりました。

↓次回の記事

33金型早繰り銀(9) 〜先手37桂型.2〜

↓前回の記事

第2-1図より後手が(b)54角 と設置する指し方を見ていきます。

第2-1図から
△54角 ▲45歩 (第2‐3図)

54角は87の地点と36の桂頭を睨んで、33金型早繰り銀における必修手筋です。

対する45歩も筋の一着

これを同歩と取るのは以下47銀75歩同歩同銀56銀で次に55角~45桂が厳しすぎます。

第2‐3図から
△75歩 ▲同歩 △同銀 ▲44歩 (第2‐4図)

後手は狙い通り銀を進出しますが、じっと取り込んだ44歩が凄まじい迫力です。

44同金は24歩から2筋を突破されてしまうので、後手はこの拠点を取り除けません。

第2‐4図から
△86歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同飛 ▲43銀 (第2‐5図)

86歩からの銀交換にはいきなり43銀と打ち込む手が成立します。

以下41玉には88歩と受けておけば、65角に45桂が実現します。

第2‐5図から
△43同金 ▲同歩成 △同角 ▲44歩 (結果図)

43の地点でばらした直後の44歩が決め手

以下89飛成は79金打でよく、54角と逃げるのも87歩同角成同金同飛成98角88龍77角で先手勝勢です。

第2‐1図から(b)54角と好点に打つのも、45歩~44歩が後手の玉頭への強烈なプレッシャーとなって、後手は反動でやられてしまいます。

結論を述べます。

後手が42玉と上がったテーマ図B

ここで48金と上がって角の王手を消しておくの反発力の高い待ち方です。

以下(a)75歩と(b)54角のどちらも45歩~44歩の反撃が後手玉に近すぎて後手の勝てない将棋です。

後手はテーマ図Bの前に変化する必要があるようです。

その具体的な手段が42玉に代えて94歩です。

上図をテーマ図Cとします。

先手37桂型に対してはテーマ図Cを出発点として掘り下げていきます。

↓次回の記事

金無双急戦(10) ~先手46歩型.09~

↓前回の記事


先手46歩型の最終回です。

第0‐27図から②44同角を見ていきます。

第0‐27図から
▲44同角 △同歩 ▲61銀 (第0‐32図)

44同角から61銀といきなり後手陣に襲い掛かります。

75飛には57角を用意しているのがポイントです。

第0‐32図から
△62飛 ▲52銀成 △同飛 ▲64歩 △同歩 ▲63角 △82飛 ▲74角成 (第0‐33図)

後手は随分と利かされたようですが先手玉が鉄壁なので致し方ない所です。

74角成となった局面では89飛成がこの上なく自然ですが、一本小技を利かせておきます。

第0‐33図から
△57歩 ▲59金引 (第0‐34図)


このタイミングで57歩と金銀の連結を崩しておきます。

対して同金は48銀、48金寄も59銀同金同飛成49金打68龍でそれぞれ後手良しなので先手は59金引の一手です。

これが後で効いてきます。

第0‐34図から
△89飛成 ▲64馬 △73角 ▲同馬 △同桂 (第0‐35図)

64馬が期待の一手ですが73角も受けの好手。

長いですが②44同角から第0‐35図までは双方最善を尽くして一直線の進行と言えます。

そしてこの局面で先手が一番やりたい手は71角です。

以下72飛44角成となれば馬が手厚く、先手もかなり戦えます。

ところが71角には77角が用意の切り返し。

82角成59角成の進行ははっきり後手勝ちなので69歩と受けるぐらいですがそこで72飛と寄れば先手は44に角を成れません。

それどころか打った角が捕まって後手大優勢です。

57歩59金の利かしはこの77角を打つためでした。

第0‐35図から
▲74歩 △65桂 ▲73歩成 (第0‐36図)

74歩からの攻めはこれぐらいですが、調子良く桂馬を活用できました。

次に82と取られてもまだ余裕がある後手はここで猛攻を仕掛けます。

第0‐36図から
△58銀 ▲同銀 △同歩成 ▲同金 △57銀 (結果図)

58銀からばらして57銀と食い下がって結果図

見るからに単調な攻めですが、これで適当な受けがありません。

59金打には58銀成同金直57桂打39金49金

59銀には58銀成同銀66桂

39金打には58銀成同金84角

いずれも寄り形となります。

一番頑張れるのは69歩58銀成同金78龍68金打でしょうか

これだと一気に寄せるのは大変ですが、73龍とと金を払っておけば大きな駒得で体力勝ちが見込めるでしょう。

第0‐8図から(2)55歩には、(d)79飛→44銀と進めて後手が互角以上に戦えます。

以上をもって先手46歩型には64銀から75歩と仕掛ける手が成立すると結論付けます。

次回からは先手56歩型を見ていきます。

金無双急戦(9) ~先手46歩型.08〜

↓前回の記事

下図は第0‐8図から(2)55歩まで

(d)79飛→44銀を本譜として掘り下げます。

第0‐8図から
▲55歩 △79飛 ▲54歩 △44銀 (第0‐27図)

ここからの先手の対応として①78角 ②44同角 を順に見ていきます。

第0‐27図から
▲78角 △75飛 ▲76歩 △同飛 ▲同銀 △78飛成 (第0‐28図)

78角以降の手順に変化の余地がないのは前回の記事で述べた通りです。

そして迎えた上図

ここで84飛の痛打が無いのが、後手が54歩をかわした効果です。

ここからは桂香を拾っての攻め合いになります。

第0‐28図から
▲71飛 △89龍 ▲81飛成 △79龍 (第0‐29図)

79龍が浮いている角銀を狙って小気味の良い活用です。

勢い44角と切り飛ばしたくなりますが、同歩で76の銀取りが残って先手苦戦です。

第0‐29図から
▲78歩 △15歩 (第0‐30図)

78歩が手筋の中合い

同龍にはそこで44角同歩67銀が龍に当たります。

しかし歩切れになった為、奥義”端攻め”がより厳しくなります。

15歩を同歩と取るのは17歩で一丁上がり

以下同香は16歩同香24桂、同桂は16歩、同玉は49龍同銀39角でいずれも後手勝勢です。

第0‐30図から
▲36桂 △16歩 ▲44角 △同歩 ▲同桂 △22玉 ▲52桂成(第0‐31図)

36桂は次に44桂ではなく44角を狙って油断のならない手です。

かと言って35銀と大事を取るのは33角成同金45桂で一遍に怪しくなります。

したがって後手も強気の姿勢で攻め合います。

52桂成となって後手陣はかなり薄くなりましたが、この瞬間はまず詰みません。

この手番を活かして一気に寄せ切ります。

第0‐31図から
△17歩成 ▲同桂 △16桂 ▲39玉 △47歩 (結果図)

17歩成に同香も同香成同桂16桂で大同小異です。

39玉に47歩がぴったりの決め手

28角以下の詰めろですが、47同金には28角48玉68龍で詰み

47同銀も66角48金打28角以下受けなしです。

この歩を取れないようでは先手に受けはありません。

第0‐28図から①78角は75飛と走って終盤戦ですが、どうやら後手勝ちのレールに乗っているようです。

↓次回の記事

金無双急戦(8) ~先手46歩型.07~

↓前回の記事

下図は第0‐8図から(2)55歩まで

(b)69飛→44銀
第0‐8図から
▲55歩 △69飛 ▲54歩 △44銀 (第0‐22図)

(b)69飛→44銀は4通りの中で唯一後手がはっきり悪くなります。

第0‐22図から
▲44角 △同歩 ▲78銀打 △79飛成 ▲57角 (第0‐23図)

この場合いきなり角を切ってしまう手が成立します。

先手は龍の捕獲を狙っています。

第0‐23図から
△88龍 ▲66角 △79龍 ▲59金引 △76角 ▲77桂 (結果図)

59金引として次に69金が間に合えばゲームセットです。

76角は渾身の勝負手ですがふわりと跳ねる77桂が好手

以下67角成同銀99龍55角打と進んで先手優勢です。

この変化は66の角が72飛の捌きを抑えて絶好の位置になります。

(b)69飛→44銀は下ろした飛車を狙って先手良しです。

(c)79飛→54同銀
第0‐8図から
▲55歩 △79飛 ▲54歩 △同銀 (第0‐24図)

79から飛車を打つと後手は89飛成を受けて78角が絶対となります。

第0‐24図から
▲78角 △75飛 ▲76歩 △同飛 ▲同銀 △78飛成  (第0‐25図)

78角と打たれては次に88角があるので75飛の一手

先手も89飛成を受けて76歩の一手です。

以下必然の応酬で第0‐25図まで進みます。

第0‐25図から
▲84飛 (第0‐26図)

84飛が先手の狙っていた攻め

受ける手はないの後手は攻め合うしかありません。

そして変化が多岐に渡る為、以下は一例です。

第0‐26図から
△57歩 ▲同金 △56歩 ▲47金 △89龍 ▲54飛 △57桂 ▲59金 (結果図)

57歩には68金もありどちらを選ぶかは先手の権利です。

結果図まで進んで88角や44角でどうか

難しい戦いだとは思いますが、後手の攻めが細く繋げるのは大変な印象です。

後手が(c)79飛→54同銀を選ぶ場合は相当な事前研究が必要でしょう。

↓次回の記事

金無双急戦(7) ~先手46歩型.06~

↓前回の記事

第0‐8図まで戻り、(2)55歩とする手を見ていきます。

※本記事以降は手順の難しさが一段上がります。
とりあえず金無双急戦を指してみたいと言う方は「下図まで進んでいい勝負」という認識で大丈夫です。

同歩同角は先手良しなので後手はここで攻めることになります。

手段として69飛or79飛の2通り
更に次の54歩に対しても54同銀or44銀の2通りの対応があり
合計4通りの分岐があります。

それぞれのデメリットをあげると
69飛:78角or78銀が飛車に当たる
79飛:78角or78銀打で動けない、75飛に57角がある
54同銀:53歩・55歩・59歩が生じる、84飛が銀桂の両取りになる
44銀:54歩が拠点として残る、44角と切る手が生じる
といったところです。

この組み合わせがどれも難しくすべて追うととんでもない文量になるので、後手の対応を一つに絞り、残りの3つはさっと説明するに留めます。

(a)69飛→54同銀
第0‐8図から
▲55歩 △69飛 ▲54歩 △同銀 ▲78銀 (第0‐19図)

78銀は飛車の入手を狙った手です。
後手は(1)65飛成 (2)79飛成のどちらも有力です。

第0‐19図から
△65飛成 ▲55歩 △同銀 ▲83角 (第0‐20図)

先手は一本55歩を利かせてから飛車の両取りを放ちます。

第0‐20図から
△75龍 ▲55角 △78龍 ▲72角成 △同龍 ▲91角成 (結果図)

なんとも派手な応酬ですが結果図まで進んでバランスが取れています。

駒割としては香vs歩2枚という構図

先手は美濃が丸々生きていますが、57歩や15歩が飛んでくるので見た目ほどの耐久力はありません。

一方の後手玉も現状は大丈夫ですが飛車を下ろされる展開になると手が伸びません。
また53歩の叩きがある為、後手の歩を渡す攻めもかなり反動があります。

結果図は難解な形勢で人によって判断が分かれそうなところです。

第0‐19図から
△79飛成 ▲53歩 △同金 ▲68金 (第0‐21図)

(2)79飛成には68金で龍を捕獲しに行くのが先手の狙い筋ですが、その直前に53歩を利かすのが好手。

意味は本譜を追えばわかります。

第0‐20図から
△75飛 ▲66角打 △68龍 ▲75角 △78龍 (第0‐21図)

後手は攻めを続ける為に75飛と走る一手です。

対して69金には77飛成同桂99龍で後手良し

66角打にも68龍が切り返し、上図となっては2枚換えを実現した後手が大成功に見えます。

ところがここまで先手の手の平の上、ここから3手で景色が一変します。

第0‐21図から
▲53角成 △同金 ▲72飛(結果図)

53角成が次の一手のような好手、53歩同金の利かしはこの手を狙ったものでした。

72飛と王手で下ろした結果図は先手優勢

52歩には33角成が決まるので21玉と頑張るのでしょうが、42金と迫るのが良く、同銀同飛成で後手崩壊です。

後手が変化するなら53歩を手抜いて78龍61角62飛52歩成同金83角成でしょうか。

やや先手が勝ちやすそうにも見えますが、これは互角の範疇だと思われます。

(a)69飛→54同銀はかなりいい勝負で、後手としてはこの変化を選ぶ価値は十分にあります。

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