33金型早繰り銀(12) ~先手37桂型.5~
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テーマ図Cから(b)▲47銀を見ていきます。
この構えが先手の最善形、ラスボスです。
ここから先はどこまで行っても難しく、今のところ「先手良し」「後手良し」の結論を出せていません。
先手が33金型早繰り銀を否定しに行くならこの局面から始めることになるでしょう。
現時点での私の見解を述べていきます。
テーマ図Cから
▲47銀 △75歩 ▲同歩 △同銀 (第3-13図)
▲47銀には△54角を打たずに単に△75歩が勝ります。
△37角の隙があるので、「角を持っていること」それ自体が先手の攻めを牽制しています。
上図から▲48金と上がるのは△54角として、テーマ図Cから(a)▲48金の変化に合流します。
同様に駒組を進める▲58金や▲38金、▲29飛などは全て△54角と打って後手十分の戦いが見込めます。
したがって先手は上図から反撃します。
第3-13図から
▲24歩 △同歩 ▲25歩 (第3-14図)
十字飛車を狙って▲24歩~▲25歩の継ぎ歩攻め
▲45歩△同歩▲同桂が利かない先手はここから行くしかありません。
第3-14図から
△54角 ▲24歩 (第3-15図)
△54角についてはもう説明不要でしょう。
盤面全体を見渡す急所の位置です。
▲24歩と取り込んだ第3-15図、ここから後手は穏やかな展開と激しい展開を選べます。
穏やかな展開から見ていきましょう。
第3-15図から
△22歩 ▲45歩 △35歩 (第3-16図)
△22歩は▲23歩成を受けて当然の一手です。
角筋を緩和する▲45歩にも△35歩と突っ掛けて桂頭に傷を作りにいきます。
上図から(1)▲46角 (2)▲35同歩 を順に見ていきます。
第3-16図から
▲46角 △64銀 ▲35角 (第3-17図)
▲46角~▲35角は桂頭に傷を作らない指し方です。
次に▲56歩と突いて角が安定すると作戦負けなので、後手は角を取りに行きます。
第3-17図から
△34金 ▲44角 △同金 ▲同歩 (結果図)
△34金で角の適当な逃げ場所がありませんがそれは先手も織り込み済み
▲44角と切り込んで結果図
先手は駒損ですが次に▲23歩成の確実な攻めがあります。
難しい形勢ですが、後手がやや忙しい局面と言えるでしょうか。
第3-16図から(1)▲46角とすれば結果図までは進みそうです。
↓次回の記事
コメント
コメント一覧 (2件)
Kindleで33金型早繰り銀の本を読んでこの戦法に興味を持ち、ブログの記事も読ませて頂きました(^^)
一つ気になったのですが、テーマ図cにおいて△54角より△75歩を優先した方が良い理由が分からないのですが具体的に何があるのですか?
結局後から△54角と打つのならテーマ図cで打った方が継ぎ歩されない分得してるように見えます><
コメントありがとうございます。
鋭い質問ですね、質問者様がかなりの棋力の持ち主と見て回答します。
△54角には▲56歩と突く手があります。
△75歩▲同歩△同銀▲55歩とされて54の好位置を追われます。
以下(a)△43角は▲58飛△86歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲88歩△87歩に▲54歩が手筋
△同歩でも△同角でも▲75角が厳しく先手が指せます。
(b)△65角は▲48玉△86歩▲同歩△同銀▲66銀△92角に▲83歩が手筋
△同飛は▲65角、△同角も▲84歩△92角▲54歩(△同歩には▲53角)で先手良しです。
上記の手順は一例ですが、いずれも①▲55歩で角を追われてしまうこと②▲54歩〜▲53角が厳しいことで先手有望の戦いになります。
これらの原因は△54角に▲56歩と突かれたこと、すなわち△54角で先手で入らなかったことです。
直前の▲47銀に代えて▲48金の変化では、△54角が△36角を狙った先手であったために、スムーズに攻めが決まりました。
後手は△54角を先手で打ちたいのです。
したがって本譜では△75歩とまず仕掛けて、より有効なタイミングでの△54角を狙っています。
以上が回答です、長々と失礼しました。