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第3-16図から(2)35同歩を見ていきます。

なんとも堂々とした一着ですが、先手は余せると見ています。
第3-16図から
▲同歩 △86歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同飛 (第3-18図)

後手は35歩を利かせたので銀交換に踏み切ります。
ここで88歩と受けるのは36歩75角37歩成86角に42銀が冷静な一手で後手良しです。

先手は甘い受けは許さません。
第3-18図から
▲87歩 △同角成 ▲同金 △同飛成 ▲98角 (第3-19図)

87歩は数が足りていませんが、先手を取るこの一手の受け
後手は当然同角成から踏み込みます。
対して98角が切り返しの攻防手
28飛の横利きが通っている+43に歩がいないという条件では、87飛成に98角が常にカウンターとなります。
第3‐19図から
△67龍 ▲58銀打 △78龍 ▲21角成 △32銀 ▲31馬 △36歩 (第3‐20図)

この辺りは一直線の進行でお互いに変化の余地がありません。
36歩が手筋の攻めで、同銀は46金が受かりません。
これを取れないのでは決まったようですが
第3‐20図から
▲42角 △62玉 ▲53角成 △72玉 ▲48玉 △37歩成 ▲同玉 (結果図)

42角~53角成で上部を厚くしておいて48玉がいい頑張り
結果図となっては先手玉は簡単に寄りません。
一方で先手も桂1枚しか持っていない為、後手玉に直接迫る手段はありません。
32銀・33金の塊を取りに行きたいところですが、34歩同金32馬などと安易に進めるのは、36歩から先手玉が寄ってしまいます。
先手が安全度を保ちながら上部を厚くする手段があるかどうかといったところで、結果図は難解としか言いようがありません。
長い終盤戦が予想されます。
第3‐16図から(2)35同歩は8筋からの突破を許しますが、手段を尽くせば先手玉はすぐに寄らず、難しい終盤戦を迎えます。
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