33金型早繰り銀(16) ~先手37桂型.9~
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第3‐26図から(b)▲33角と直接打ち込む手を見ていきます。
第3‐26図から
▲33角 △同銀 ▲31龍 △41金 ▲33龍 (第3‐29図)
▲33角以下は一直線の進行です。
角と銀2枚を交換し、43とと21龍の両方を54角の射程から逃した上図は先手が大成功に見えます。
後手の狙いはどこにあるのでしょう?
第3‐29図から
△48成桂 (第3‐30図)
この上なく忙しそうに見える局面で、じっと△48成桂と引くのが大胆な手
上図では41金・61金・82飛の守りが強力で後手玉に詰めろが掛かりません。
とは言っても先手玉もすぐには寄らないので、▲53とや▲74桂と包んで先手が攻め勝っていそうに見えます。
第3-30図から
▲53と △58と ▲79玉 △68と (第3-31図)
ここで▲同玉は△77銀▲同桂△59角▲79玉△77歩成が△78と▲同玉△87角成以下の詰めろとなって後手の1手勝ちです。
第3-31図から
▲同金 △88銀 ▲同玉 △55角 (第3-32図)
△88銀~△55角が後手の狙っていた大技でした。
33の龍を抜いてしまえば後手玉の安全度が格段に上がります。
第3-32図から
▲79玉 △33角 ▲54と △39飛 ▲69銀 △86歩 (結果図)
▲54とは仕方のない所ですが、△86歩が詰めろで入った結果図は後手の勝ちです。
第3-30図から▲53とに代えて△74桂と縛るのも、本譜と同様に王手龍取りを掛ける筋で後手の勝ちが見込めます。
▲53とや▲74桂以外にも攻めがあるかもしれないので、この変化ははっきり後手が勝ちとは言い切れません。
「先手の勝ちが見つからない」というのが現状です。
33金型早繰り銀を咎めたいプレイヤーの研究が待たれます。
第3-26図から(b)▲33角にも一直線に進めて難しい終盤戦になります。
以上で第3-24図から(1)▲68銀の変化を終わります。
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