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第3‐24図から(1)68銀を見ていきます。

(1)68銀は中央に厚く備えて57とも消しているので自然な受けに見えます。
しかし明確な弱点が一つあって、それは「58銀に68玉と逃げられないこと」です。
後手はそこを考慮に入れて攻めを組み立てます。
第3‐24図から
▲68銀 △37桂 (第3‐25図)

37桂が俗手ながら厳しい攻め
39金には58銀の一手詰めなのでこの金は逃げられません。
これが68銀の弊害です。
第3‐25図から
▲21龍 △49桂成 ▲69玉 △22銀打 (第3‐26図)

22銀打はもったないようですが必要な投資
次に43角さえ間に合えばそれまでです。
例えば上図から23歩などは甘く、以下43角22歩成21角同と58金79玉69飛で後手勝勢となります。

先手の攻めを継続する手段として(a)16角(b)33角を順に見ていきます。
第3‐26図から
▲16角 △48成桂 (第3‐27図)

(a)16角は43角を防ぎつつ52金からの寄せを見ています。
対する48成桂は確実かつ最速の攻めですが、先手からの猛攻が見えています。
後手は耐えられるのでしょうか?
第3‐27図から
▲52金 △同金 ▲同と △同飛 ▲44桂 (第3‐28図)

52金からばらして44桂
上図となって飛車を逃げれば52金で詰みなので一見すると決まっていますが…
第3‐28図から
△62玉 ▲52角成 △73玉 (結果図)

飛車を見捨てて逃走するのが好手でなんとこれで後手が残しています。
例えば結果図から71飛72金81飛成とするのは、58成桂79玉69金88玉68金で後手の一手勝ち

71飛72金74歩82玉61馬は62金打

自玉の安全を優先して79玉21角88玉と逃げるのも39飛が詰めろ

いずれも後手の勝ちです。
後手は攻めの主役であった75銀と54角が玉周辺の強力な守り駒となっています。
一方で先手は飛車を渡すと39飛の一発で終わってしまうので攻めがかなり制限されています。
この辺りが直感と実際の形勢にずれが生じている原因でしょうか。
第3‐26図から(a)16角には48成桂と攻め合って後手の勝ちが見込めます。
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