相掛かり 後手右玉(4)

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△34歩に②▲58玉の展開を見ていきます。

②▲58玉は、1手で玉の安全度を高めて、強い戦いをしやすくする意味です。

例えば上図から△55角には▲76歩と突く手が生じています。(△88角成〜△15角がない)

第5図から
▲58玉 △86歩 ▲同歩 △同飛 ▲87歩 △85飛 (第7図)

後手は飛車先交換から△85飛と5段目に構えて、次に△35歩の取り込みを狙います。

代えて単に△44角もありますが、▲45銀△35角▲36飛のように角を目標にされると後手が戦いづらい将棋です。

第7図から
▲34歩 △44角 ▲27飛 △86歩 ▲同歩 △同飛 (第8図)

▲34歩の取り込みを見て△44角と覗くのが良い呼吸です。

第8図まで進むと△34歩に①▲同歩の変化によく似ていますが、先手は▲58玉の一手が無償で入っています。

これは後手が飛車先交換〜△86歩の合わせを実行したことで1手損したためです。

後手としては他の手が難しいので仕方のないところですが、②▲58玉は①▲同歩にはっきり勝ると言えます。

第8図から
▲46歩 △同飛 ▲47銀 △45飛 (第9図)

▲46歩には△87歩▲97角の交換を入れずに、単に△同飛と取ります。(理由は後述します)

△45飛では代えて△26飛とぶつけたいところですが、▲同飛△同角が王手になりません。

以下は▲38銀と引き締めておけば、▲81飛や▲86飛、▲76歩などが厳しく残り、先手優勢です。

これは▲58玉の一手が存分に活きた格好です。

第9図は先手の手が広いところ

(ⅰ)▲76歩 (ⅱ)▲38金 (ⅲ)▲87歩 を次回以降で順に見ていきましょう。

続きます。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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