33金型早繰り銀(17) ~先手37桂型.10~

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第3‐24図から(2)▲88銀とこちらに引く手を見ていきます。

▲88銀は壁銀になるため実戦では選びづらい手ではありますが、ぎりぎりの1手争いで油断は禁物です。

第3‐24図から
▲88銀 △37桂 ▲39金 (第3‐33図)

やはり金を狙う△37桂が急所の攻めです。

次に△49桂成から必至が掛かるので、先手は金を逃げる一手です。

第3‐33図から
△38歩 ▲同金 △57と (第3‐34図)

▲38同金に同とは甘く、△21龍で攻守が逆転します。

△57とと詰めろで迫ります。

第3‐34図から
▲58歩 △65角 ▲37金 △48銀 ▲69玉 (第3‐35図)

△65角と金取りに覗くのが好手で受けにくい手です

この手を見た▲38歩の叩きでした。

第3‐35図では△37銀成が詰めろなのでそれで良さそうですが、▲25角が絶好手で切り返されます。

▲58と△同玉に▲47角成を消しつつ、後手玉に△52金以下の詰めろ掛けた「詰めろ逃れの詰めろ」です。

△37銀成に代わる手も難しそうですが、ここで後手にはずっと狙っていた手がありました。

第3‐35図から
△22飛 (第3‐36図)

△22飛がなんとも派手なぶっつけ

後手の攻めはこの手を決め手にする組み立てでした。

▲同龍△同銀となれば後手玉が詰まず先手玉は受けなしです。

▲34龍と逃げるのも△29飛成の1手詰め

先手に手段が見当たらないようですが、1つだけ土俵際で踏ん張る手があります。

第3‐36図から
▲16角 (第3‐37図)

▲16角が△23飛に▲52金を用意しつつ、将来の△29飛成に▲49桂で凌ぐ手を見せた攻防手です。

次に▲22龍と取られると後手の負けです。

第3‐37図から
△34歩 (第3‐38図)

△34歩の中合いが絶対手

これを▲同角と取るのは△43角が決め手になります。

▲同龍は△29飛成の一手詰め、これが△34歩を利かした効果です。

▲同角成に△23飛として後手がはっきり勝ちです。

第3‐38図から
▲34同龍 △29飛成 ▲49桂 △62玉 (第3‐39図)

仕方のない▲34同龍に△29飛成が実現しました。

▲49桂に△同銀成と取るのは▲52金で詰まされます。

丁寧に△62玉と詰めろを外しておきます。

対して▲31龍は詰めろにならないので△49銀成で後手の勝ちです。

第3‐39図から
▲57歩 △38歩結果図

▲57歩に△49銀成は▲68金で粘られます。

△38歩が最後の1歩を使ったぴったりの決め手

結果図以下は▲68金△49龍▲78玉△77桂▲同桂△同歩成▲同銀△37銀成で一手一手です。

第3‐24図から(2)▲88銀は△37桂から攻め立てて、△65角~△22飛というダイナミックな寄せが炸裂します。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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