33金型早繰り銀(21)~先手早繰り銀.1~
↓前回の記事
33金型早繰り銀に先手も早繰り銀で対抗する展開を見ていきます。
後手からの思い切った踏み込みがあり、一瞬で後手勝勢になる可能性があります。
初手から
▲26歩 △84歩 ▲76歩 △85歩 ▲77角 △34歩 ▲68銀 △32金 ▲78金 △62銀 ▲25歩 △33角 ▲同角成 △同金 ▲77銀 △74歩 ▲48銀 △73銀 ▲36歩 △64銀 ▲37銀 (第4‐1図)
先手が早繰り銀の意思を示した上図ですが、ここで大事な手があります。
第4‐1図から
△44歩 (第4‐2図)
△44歩と陣形を膨らませておくのが急務です。
これで▲46銀と出てくる手を牽制しています。
とは言え、上図から▲68玉と囲うのも△54角が絶好
先手の銀は進めない上に、68に上がった玉への当たりが強く既に後手ペースです。
第4‐2図から先手は誘われているようでも進むしかありません。
第4‐2図から
▲46銀 △54角 (第4‐3図)
▲46銀に△54角が盤上この一手
36の歩を狙いつつ△45歩で銀を追い返す手も見ています。
上図から(1)▲35歩(2)▲26飛を順に見ていきます。
第4‐3図から
▲35歩 △45歩 ▲34歩 (第4‐4図)
△45歩は先手も承知の上
▲34歩で1歩を手持ちにし、立て直しを図ります。
ここから△同金▲37銀と進めば穏やかですが、後手にそんなつもりはありません。
一気に最終盤に入ります。
第4‐4図から
△46歩 ▲33歩成 △47歩成 (第4‐5図)
△46歩がアクセル全開の踏み込み。
以下必然の進行ですが、問題は上図の形勢がどうなっているかです。
金銀交換でと金を作り合って手番は先手
先手も戦える気がしますが、結論から言うと”後手勝勢”です。
大袈裟に聞こえるでしょうが、もう少し局面を進めるとはっきりします。
第4-5図から
▲32歩 △48歩 ▲同金 △27銀 (結果図)
先手の何がまずいかというと、第4‐5図から厳しい攻めが無いことです。
玉の側の金を攻めるのがセオリーですが、41の金は既に先手の駒台に乗っています。
とすると攻めは▲32歩ぐらいですが、かなり遅い手であることは否めません。
それに引き換え後手の△48歩はセオリー通りでド急所を突いています。
▲同金の一手に△27銀が決め手
以下▲47金△28銀成▲31歩成△27角成のように進むでしょうが、先手は88まで逃げるのが困難なのに対して後手は62~72と右に逃げた形が捕まりません。
先手が駒を投げるまでにそう時間はかからないでしょう。
第4-3図から(1)▲35歩は激しく斬り合って後手勝勢です。
本譜の▲35歩△45歩からの取り合いは「一直線定跡」と呼んでいます。
△45歩が読みに入りにくいのか、実戦でもかなりの確率でこう進みます。
後手としては勝ち星の稼ぎどころです。
↓次回の記事
コメント
コメント一覧 (2件)
勉強させてもらっています
こうした研究はやはりソフトも併用して行っているんでしょうか
金無双急戦の記事も楽しみにしています
コメントありがとうございます。
私の場合は自分のアイデアをソフトで裏付けながら形にしていくというやり方です。
金無双急戦の方も研究が一段落して、後はどうまとめるかというところなのでもう少々だけお待ちを。