後手番でいかに戦うか
先手番における勝率はプロの将棋で大体52〜53%だと聞きます。
アマチュアだと実際の勝率は気にするほどでも無いと思いますが、“主導権を取れるかどうか”で言うと全く話が違ってきます。
強い人だと「何でもお好きにいらっしゃい」と構えられるかもしれませんが、多くの人は局面の主導権を握っていきたいと考えてるのでは無いでしょうか。
その際に先後というのは大きな意味を持っていて、“同じように組むと先手が先に仕掛けられる”という当たり前の理屈からどうしても主導権は先手に移りがちです。
当然ながら後手番で積極的に動いていく将棋は数多く試されていて、横歩取り85飛戦法・ゴキゲン中飛車などはその典型で、実際に大流行しました。
ここで相居飛車の4大戦法についての現状を確認してみましょう。
矢倉は大変革を迎えていて急戦策を中心に後手に主導権があることが多くなり、実際に先手の採用率が激減しています。
相掛かりはどちらからも動いていきやすいですが、先手は戦法選択の時点で避けることができます。
横歩取りは青野流が主流となり、完全に先手に主導権があります。
角換わりは後手から仕掛ける形もありますが、基本的には手待ちの将棋です。
現状後手は基本的に角換わりか横歩取りを選ぶことになりますが、このどちらも先手に主導権があります。
これらを不満と見て後手から主導権を握りに行く将棋がかなり増えました。
飛車先切らせ型角換わりや極限早繰り銀、74歩取らせなる戦法まで出てきました。
しかし何と言ってもその典型は雁木でしょう。
現代将棋の至る所で雁木は出てきます。
代表例は角換わり拒否の雁木で、当初は先手もずいぶん手を焼いていましたが、最近では急戦で仕掛けるのが主流となり、形勢はともかくとして主導権は先手にあります。
雁木以外の戦法は先手に序盤から歩を渡す展開になりどうしても指しこなすのが難しいです。
では後手番で主導権を握りつつ狙いが明確で、なおかつ再現性が高い戦法はないかという話になってきますが、とっておきの作戦が一つあります。
次回から後手番の秘策“33金型早繰り銀”を数回に分けて考察していきます。
33金型早繰り銀が本になりました!
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