33金型早繰り銀の実戦的諸問題(10) 〜先手▲77銀保留.10〜

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▲38銀に代えて▲48銀と上がる形を見ていきます。(第38図とします)

第38図から
△86歩 ▲同歩 △同飛 ▲77角 △82飛 ▲24歩 △同歩 ▲33角成 △同桂 ▲24飛 (第39図)

48銀型の最大のメリットは中央が厚いこと。

すなわち第39図から△45桂は次の狙いがなく、▲21飛成で先手優勢です。

その一方で①2筋の勢力が弱い②王様が右辺に逃げられないというデメリットがあります。

後手としてはこの弱点を衝いて優勢を目指したいところです。

第39図から
△12角 ▲23歩 △35角 (第40図)

▲24飛に対して△22歩と受けるのでは守勢に回ります。

△12角と打って2筋に歩が効く形を作っておくのが、反発力のある受けです。

対して▲22金は△35角▲28飛△27歩▲同飛△26歩で一丁上がり。

▲23歩と抑える手にも△35角と2枚目の角を投入して、空中の飛車に働きかけます。

対して①▲28飛 ②▲34飛 を順に見ていきましょう。

第40図から
▲28飛 △27歩 ▲同飛 △26歩 ▲28飛 △44角 ▲87歩(第41図)

①▲28飛には歩の連打で飛車先を抑えた後、△44角とこちらに引くのが味の良い活用です。

そして▲87歩の受けに△88角成▲同金△27銀と飛車を取る手がすぐに見えます。

しかし以下▲同飛△同歩成に▲66角が非常に受けづらく、先手優勢です。

△88角成は切り札に取っておいて、まずは場を整えるのが最優先です。

第41図から
△23角 ▲38金 △83銀 (第42図)

▲38金は△27銀の筋を防いだ手ですが、△83銀が遠大な構想を秘めた一手です。

一見すると8筋での棒銀を狙った手に見えますが、真の狙いは別のところにあります。

第42図から
▲36歩 △22飛結果図

△22飛と2筋にぶん回すのが爽快な一手で、33金型早繰り銀の真骨頂です。

次は△14角〜△88角成〜△27銀となれば試合終了。

先手は▲24金と抑えるぐらいですが、それでも△14角▲同金△同歩と進めて後手勝勢です。

△35角に①▲28飛と引くのは△27歩から飛車を抑えこむ構想が功を奏して後手優勢です。

第40図から
▲34飛 △44角 ▲87歩 (第43図)

②▲34飛は角桂両取りですが△44角がピッタリの切り返し。

△88角成を防いで▲87歩はこの1手ですが…

第43図から
△86歩 ▲同歩 △同飛結果図

△86歩から十字に飛び出すのが華麗な決め手です。

やはり△88角成があるので▲87歩が自然ですが、△76飛▲77銀△26飛と振り回して、飛車の成り込みが受からず後手勝勢です。

また▲77桂と遮断するのも△23角▲24飛に△67角成が炸裂します。

結果図から本当に頑張るなら▲77金打ですが、△84飛▲66歩(△77角成の防ぎ)△23角▲24飛△32銀と進めて後手大優勢です。

後手の大駒3枚が抜群の働きで、先手は全く主張がありません。

第40図から②▲34飛も後手の大駒が躍動して後手優勢となりました。

以上をもって先手の48銀型にも△12角から切り返して後手良しと片付けます。

変化の解説は以上で終了。

次回、全10回の記事を簡単にまとめて締めとします。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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