33金型早繰り銀の実戦的諸問題(9) 〜先手▲77銀保留.9〜

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第32図を再掲します。

ここから(ⅰ)▲33金 (ⅱ)▲77銀 (ⅲ)▲77桂 の順に検討していきます。

第32図から
▲33金 △44角 (第33図)

(ⅰ)▲33金には△44角とあくまでこのラインを狙うのが急所。

次に△33角引となれば終局なので、先手は受ける手は有り得ません。

第33図から
▲22金 △88角成 (第34図)

お互いに怯むと負けの攻め合いです。

上図から▲31龍は△62玉で後手玉に詰めろが掛かりません。

第34図から
▲71角 △22馬 ▲同龍 △同銀 ▲82角成 (第35図)

▲71角が退路封鎖の手筋で、次に▲31龍以下の詰めろとなる唯一の手です。

対して△22馬と引き上げるのが冷静な一手

飛車を渡しますが貴重な手番を得ました。

第35図から
△88飛 ▲21飛 (第36図)

△88飛が決め手で先手玉は受け無しです。

▲21飛は最後のお願いで、対応を誤ると奈落の底に転落します。

第36図から
△62玉 ▲22飛成 △52銀結果図

▲21飛には△31金と弾くのが安全そうに見えても、▲同飛成△同銀▲33角で大逆転です。

△62玉とかわすのが正着で、▲22飛成に△52銀と埋めて後手玉は寄りません。

一方で先手玉を捕まえるのには金1枚あれば事足ります。

第32図から(ⅰ)▲33金は変化の余地がなく、結果図まで進んで後手の勝ちです。

第32図から
▲77銀 △87飛成 (第37図)

(ⅱ)▲77銀は後手からすると最もありがたく、△87飛成の一閃で決まります。

対して▲同金は△77角成▲同金△68銀まで即詰みです。

第37図から
▲31龍 △同角 ▲87金 △79飛 ▲69金 △89飛成結果図

▲31龍〜▲87金が最も粘れますが、△79飛〜△89飛成と平凡に攻めて結果図

以下は▲21飛でも▲88金でも△56桂で受け無し、後手の勝ちです。

第32図から
▲77桂 △86歩 ▲同歩 △87歩 (第38図)

(ⅲ)▲77桂は角切りを何よりも警戒した受け方です。

後手は△86歩〜△87歩と、金銀2枚のバランスを崩しにいきます。

対して▲同銀△77角成▲同金△68角▲69玉△77角成

▲同金△68角▲69玉△67成桂(次に△77角行成〜△57桂)

いずれも寄せ切れます。

第38図から
▲79銀 △86飛 ▲89歩 △44角打 ▲66金 (第39図)

仕方のない▲79銀に△86飛と気持ち良く走って次は△88歩成があります。

▲89歩と受けるしかないですが、△44角打と追撃の手を緩めません。

▲66金も懸命の抵抗ですが、先手は攻め駒を使い切ってしまいました。

第39図から
△42玉結果図

暴れるだけ暴れて△42玉と受けに回るのが冷たい決め手です。

▲23歩に△33角行を用意しつつ、△32銀で龍を捕獲する手を見ています。

攻め手は△27歩や△28歩があり、先手は手段が尽きています。

第32図から(ⅰ)▲33金 (ⅱ)▲77銀 (ⅲ)▲77桂 の3通りの手段を見てきましたが、いずれも後手勝ちのレールに乗っています。

戻って△45桂に①▲21飛成と攻め合うのも、②▲87歩と1度受けるのも後手が勝ちます。

見てきた通り△57桂成と先手の玉頭を抑える手が余りにも大きいのです。

これにて万事解決と言いたいところですが、1つやり残しがあります。

△57桂成が厳しいなら38銀型ではなく48銀型にすればいいじゃない。

最後にこれを解決しておきましょう。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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