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第1-2図を再掲します。

第1-2図から
△73桂 ▲47金 △81飛 ▲36歩(第1-3図)

先手四間飛車に対して最も単純な攻めは、△65歩〜△73桂〜△66歩の「シンプル早仕掛け」でした。

ただし▲65同飛の局面で▲61飛成を受けるために△64銀と打つ必要があるのが、後手からすれば気に入らない点です。

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そこで△81飛と1手待ってから攻めたのが「81飛型早仕掛け」です。

これで後の▲61飛成を防いでいますが、先手にも攻撃力最大の37桂型高美濃を作られるのが玉に瑕です。

実際にこの後▲45桂の反撃が生じていました。

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この両方が明快でないので、後手は△65歩〜△75歩と第3の手段で攻めたのが、先手四間飛車(56歩型)vs金無双急戦の大きな流れです。

さて本譜に話を戻します。

第1-3図では先手陣は29桂型の高美濃です。

一方で後手は「81飛型早仕掛け」の陣形に組めています。

これが先手の▲78飛→▲68飛による1手損の罪で、後手がその1手を(c)△81飛に回したことで得た恩恵です。

この違いが形勢差となって現れるところまで手順を進めてみましょう。

第1-3図から
△66歩 ▲同銀 △86歩 ▲同歩 △65歩 ▲57銀 (第1-4図)

△65歩には▲同銀もありますが、△77角成▲同桂△22角と打ち直して、後手が千日手以上でした。

先手は▲57銀から捌き合いに出ます。

第1-4図から
△77角成 ▲同桂 △86飛 ▲95角 △76飛 ▲73角成 △77飛成 ▲65飛 △79龍 (第1-5図)

長手数進めましたが、細かい手の意味は過去記事を参考にしてください。

上図から▲61飛成には△94角の両取りが刺さります。

第1-5図から
▲69歩 △94角結果図

▲69歩は龍の利きを止めて次に▲61飛成を狙った大きな手ですが、それでも△94角が絶好の角打ちです。

攻めては49の金を睨み、受けては▲61飛成と▲85飛の両方を防いでいます。

ここで先手が37桂型のときは▲45桂の跳躍があって難しい将棋でした。

しかし本譜では29桂型なので、先手からの思わしい継続手がありません。

▲45桂打と持ち駒を投資するぐらいですが、△64歩▲53桂成△65歩▲52成桂△同金と同じように進めて、先手の持ち駒に桂がないのは余りにも大きく、後手優勢です。

第1-1図で(1)▲68飛と1手損で受けるのは(a)△33角で対四間飛車定跡に合流させても良し、△73桂〜(c)△81飛と手得を積極的に活かして攻める手もあり、後手が有利に戦えます。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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