【四間飛車対策】金無双急戦(19) 〜先手56歩型.9〜

↓前回の記事


第1-15図を再掲します。


ここから(ⅱ)▲65飛の展開を見ていきます。
第1-15図から
▲65飛 △同飛 ▲同銀 △46角成 ▲37角 △同馬 ▲同桂(第1-25図)


(ⅱ)▲65飛を選ぶと先手は本美濃を丸々残せるのが大きなメリットです。
一方で後手もほぼ駒損がなく、角を持ったまま終盤戦に入れます。
先手陣の急所を見極めて美濃囲いの攻略に参りましょう。
第1-25図から
△69飛 (第1-26図)


△69飛と銀取りで飛車を先着しますが、前回までとは少し話が違います。
△79飛〜△76飛成は飛車の働きが悪くなりましたが、△69飛〜△65飛成とすれば縦横に利く好位置に龍を据えられます。
すなわち先手としても、すんなり△65飛成を許すわけにはいかないのです。
銀に紐を付ける手段として、(α)▲77桂 (β)▲61飛 を順に見ていきます。
第1-26図から
▲77桂 △99飛成 ▲81飛 △15歩(第1-27図)


▲37桂と跳ねた形の美濃囲いの弱点は2つ。
コビンと端です。
ここではまず△15歩と突き捨てて、後の攻め筋を広げておきます。
△16歩の取り込みは双方の玉のHPに大きく影響するので、このタイミングでの手抜きはありません。
第1-27図から
▲同歩 △35歩 ▲47金 (第1-28図)


端に続いてコビンにも手を掛けます。
▲47金は上部を補強するこの一手の受けです。
この先は詰む詰まないが根幹にあるので、かなり繊細な手順になります。
まず後手の狙い筋は△36歩▲同金△47香です。


対して▲39金には△57角があり部分的には受け無しですが、そこで▲33歩が鋭手です。


以下△同桂▲34歩と進み


△49香成には▲33歩成△同金▲25桂が


△49龍には▲同銀△同香成▲66角が


いずれも詰めろ逃れの詰めろとなり、(簡単ではないにせよ)先手勝ち筋です。
後手の△36歩は先手の急所を突く攻めであると同時に、自玉を危険に晒す諸刃の剣なのです。
第1-28図から
△44銀 (第1-29図)


▲33歩を緩和しつつ、先手の玉頭に圧力を加える△44銀が正着です。
対して▲91飛成のような手は△36歩▲同金△47香を実行して後手勝ちです。
第1-29図から
(x)▲64角:攻防の位置に角を設置する。
(y)▲45歩:好位置の44銀を追い払う。
を次回以降で順に見ていきましょう。
↓次回の記事


コメント