先手中飛車対策 角交換ミレニアム(3) 〜▲88飛の変化.2〜
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第1-8図を再掲します。
ここから①▲72と ②▲79金 を順に見ていきましょう。
どちらも華々しい戦いになりますが、結論から言うと後手の勝ち筋に乗っています。
第1-8図から
▲72と △69歩成 ▲71と △87歩 (第1-9図)
先手は飛車を侵入するためには▲72と〜▲71とで2手掛かるのが辛いところ。
後手は1手勝ちを狙います。
△87歩が最後の1歩を使った手筋で、飛車の横利きを外して先手陣に絡みつきます。
第1-9図から
▲同飛 △59と ▲同金 △48角 (第1-10図)
△59と〜△48角がリズムの良い攻め。
後手は△39角を打つ形に持っていけば勝ちになります。
先手は駒を埋めて頑張るしかありません。
第1-10図から
▲49金打 △59角成 ▲同金 △48金 ▲39角 (第1-11図)
先手の持ち駒から金を消去するのがこの場合のコツです。
▲39角まで打たせて、先手の王様を美濃囲いから引っ張り出すことに成功します。
第1-11図から
△同金 ▲同玉 △68角 ▲49金打 (第1-12図)
△68角が金を狙うセオリー通りの一手。
対して▲同金は△48金▲28玉△39角が実現します。
第1-12図から
△59角成 ▲同金 △58金 ▲同金 △同と ▲66角 (△第1-13図)
長手数の寄せになっていますが、先手玉が段々と受けの難しい形になっているのを確認して下さい。
▲66角は土俵際の攻防手ですが、次の一手で押し切れます。
第1-13図から
△45桂 (第1-14図)
△45桂が最後の一押し。
△48金▲同角△同と▲同玉に△57角を可能にしています。
これでほとんど決まりですが、せっかくなので先手には最後まで頑張ってもらいましょう。
第1-14図から
▲49金 △57角 ▲28玉 △49と ▲同銀 (第1-15図)
美濃囲いを跡形もなく吹き飛ばして、後手は斜め駒があと1枚あれば寄せ切れます。
第1-15図から
△56金 (第1-16図)
角を取りにいく△56金が決め手です。
対して▲57角には△同桂不成が銀取りとなって後手勝ちです。
第1-16図から
▲82飛成 △66金 ▲52龍 △42金 (結果図)
先手はいよいよ受けがないので攻め合いますが、結果図まで進んで後手勝勢です。
第1-8図から①▲72と は△69歩成〜△59と〜△48角と食いついて、寄せ切れます。
先手は一直線の攻め合いは望めないようです。
続いて②▲79金 を見ていきましょう。
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