先手中飛車対策 角交換ミレニアム(1)

先手中飛車対策としての角交換ミレニアムを考察していきます。

きっかけは、ねK柳さんのこのツイート。

非常に論理的かつ精緻な内容で、実際に何局か指してみたところ局面の出現率も十分でした。

今回のシリーズはこちらの研究をベースにしています。

したがって特に仕掛け周辺の手順に、かなりの重複が発生しています。

予めご了承下さい。

初手から
▲56歩 △84歩 ▲76歩 △85歩 ▲77角 △54歩 (第0-1図)

△54歩と位取りを拒否するのが序盤のポイント。

5筋の均衡を保っておいて、先手からの仕掛けを封じることを第一目標とします。

それでも先手からは▲55歩と突けるタイミングが少なくとも3回あります。

力戦調の将棋ですがどこまで行っても互角になりやすく、実戦での出現率も高くはないため解説は後に回します。

第0-1図から
▲58飛 △62銀 ▲48玉 △34歩 ▲68銀 △53銀 ▲38玉 (第0-2図)

手順中の▲48玉、▲68銀、▲38玉のタイミングで先手は▲55歩と仕掛けることが可能です。

そして前述したように、その先は互角の力戦形です。

本譜は最も無難かつ自然な進行で、実戦でも多くの場合でこう進みます。

第0-2図から
△77角成 ▲同銀 △44銀 (第0-3図)

△77角成〜△44銀と出て▲55歩の仕掛けを封じます。

ここまで備えておいて、後手はミレニアムに囲いに行きます。

後手の駒組みが遅れているようですが、▲66銀には△86歩、▲78金〜▲66銀にも△69角の筋があるので、先手も思い切った速攻はできません。

第0-3図から
▲28玉 △42玉 ▲38銀 △32玉 ▲16歩 △14歩 (第0-4図)

先手は美濃囲いを選択するのが妥当です。

穴熊も無いとは言いませんが、角打ちの隙が生じやすいため、かなり制限を受けながら戦うことになります。

少なくとも後手を持って嫌なイメージはありません。

第0-4図から
▲59飛 △52金右 ▲78金 △42金寄 (テーマ図

先手は隙のない陣形に構え、後手も右金をくっ付けて箱入り娘の形に構えました。

上図を本戦法のテーマ図とします。

テーマ図から
▲66銀 (先手66銀型)
▲46歩 (先手木村美濃)
▲26歩 (先手銀冠)
を順に考察していきます。

と言いつつ、少しだけ寄り道を。

第0-4図から▲88飛と回る変化があるので、こちらを先に見ていきましょう。

↓次回の記事

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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