33金型早繰り銀(27) 〜角交換保留型.3〜

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第6-2図から先手が(b)▲36歩〜▲37桂として、45桂の速攻を見せる展開を見ていきます。

第6-2図から
▲36歩 △73銀 ▲37桂 △64銀 ▲58玉 (第6-6図)

先手は最速で37桂型を作りましたが、後手も△64銀を間に合わせました。

これで53の地点に利きができたので、ひとまず▲45桂の速攻はなくなりました。

とは言え油断は禁物、先手は後手の仕掛けに対してカウンターを狙っています。

例えば上図から△75歩と仕掛けるのは先手の思う壺

以下▲同歩△同銀▲24歩△同歩▲45桂

△77角成▲同桂△64銀▲46角

最終手▲46角が好手

次に▲53桂成の狙いですが、△52玉と受けても▲65桂△42銀▲24飛△23歩▲34飛が一例で、後手はとても持ち堪えれません。

△75歩▲同歩△同銀の瞬間は53の地点から利きが外れる上に、75の銀が不安定なので、先手にとって絶好の反撃機会となってしまいます。

したがって、後手は仕掛ける前に1手だけ自陣に手を入れます。

第6-6図から
△22銀 (第6-7図)

将来の▲55角や▲24飛に備えて、△22銀とこちらに上がります。

以降▲33角成には△同銀と取るので、33金型早繰り銀に戻ることはありません。

一見すると妥協しているようですが、そうではありません。

33金型早繰り銀の理念は「早繰り銀で先攻すること」です。

先手が7筋の受けを放棄し、攻撃形を作ってきた今となっては、その達成は既に確約されています。

もはや「33金型」に拘る必要は無いのです。

この論理を意識できるようになると、実戦で作戦勝ちを築ける確率が跳ね上がります。

第6-7図から
▲46歩 △75歩 ▲同歩 △同銀 ▲45桂 △77角成 ▲同桂 (第6-8図)

後手は満を持して仕掛けます。

先手も受けに回る手段は残されていないので、左右の桂を跳ね出して攻め合いの姿勢です。

上図は先手の攻めにも勢いがあり後手を持って怖そうですが、次の一手を持って後手優勢です。

第6-8図から
△64銀結果図

出た銀を戻る△64銀がぴったりの決め手

この一手で先手からの▲53桂成や▲65桂、▲55角といった攻めを全てシャットアウトしています。

結果図以下は▲24歩△同歩▲同飛と攻め続けるしかありませんが、そこで△44歩と突けるのが予め△22銀と備えて置いた効果

桂損確定で先手の攻めは明らかに頓挫しています。

第6-2図から(b)▲36歩〜▲37桂は、△22銀〜△75歩と仕掛けて後手優勢です。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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