指す将順位戦A級1組 2回戦 vsゆきさん(1)
私が後手です。
初手から
▲26歩 △84歩 ▲25歩 △85歩 ▲76歩 △32金 ▲77角 △34歩 ▲78銀 △33角 (第1図)
お相手のゆきさんとは普段からTwitterで交流があり、今回も「先手なら対33金型を受け立ちます」と宣言してくれていたので、何を用意されているのか対局前から楽しみでした。
第1図から
▲33角成 △同金 ▲77銀 △72銀 ▲78金 △74歩 (第2図)
33金型早繰り銀の綺麗な定跡型です。
先手は37桂型の最新型をぶつけてくるのか、それとも47銀・14歩型なのか。
この辺は通い慣れた道なので、もうしばらくゆっくりできると思っていましたが…
第2図から
▲55角 (第3図)
「それですか!?」というのが率直な感想。
33金型早繰り銀の成立に関わる「55角問題」を持ってこられました。
もちろん筆者としても対策済みで、実戦での勝率もまずまずです。
ただし、先手も当然記事中の変化は把握している上で、別のところに鉱脈を見つけてきたはずです。
第3図から
△73銀 ▲33角成 △同桂 ▲24歩 △同歩 ▲同飛 △22銀 ▲23歩 △31銀 (第4図)
上図までは一直線の進行で、変化のしようがありません。
さてここから
(1)▲21金は△45桂で後手優勢
(2)▲34飛も△42玉で後手互角以上というのが筆者の見解です。
第4図から
▲58玉 (第5図)
▲58玉が先手の用意してきた手でした。
先手玉の安全度を高めつつ、歩を支えることで△45桂や△35角、△25角の筋に備えています。
自然な発想で筆者も考えたことはありましたが、手順を確立するほど研究はしていません。
次の一手はすぐに見えましたが、すっぽ抜けると将棋が終わるのでじっくり時間をかけて検討しました。
第5図から
△25角 (第6図)
△25角が積極的な受けで、34歩を守りつつ飛車を閉じ込めることで、次に△35角の捕獲を見ています。
また条件が良ければ△47角成▲同玉△69角の強襲が決まるので、先手も△25角には反応するしかありません。
ここから難解な中盤戦に入ります。
↓次回の記事
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