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下図は第0‐8図から(2)55歩まで

(d)79飛→44銀を本譜として掘り下げます。
第0‐8図から
▲55歩 △79飛 ▲54歩 △44銀 (第0‐27図)

ここからの先手の対応として①78角 ②44同角 を順に見ていきます。
第0‐27図から
▲78角 △75飛 ▲76歩 △同飛 ▲同銀 △78飛成 (第0‐28図)

78角以降の手順に変化の余地がないのは前回の記事で述べた通りです。
そして迎えた上図
ここで84飛の痛打が無いのが、後手が54歩をかわした効果です。
ここからは桂香を拾っての攻め合いになります。
第0‐28図から
▲71飛 △89龍 ▲81飛成 △79龍 (第0‐29図)

79龍が浮いている角銀を狙って小気味の良い活用です。
勢い44角と切り飛ばしたくなりますが、同歩で76の銀取りが残って先手苦戦です。
第0‐29図から
▲78歩 △15歩 (第0‐30図)

78歩が手筋の中合い
同龍にはそこで44角同歩67銀が龍に当たります。
しかし歩切れになった為、奥義”端攻め”がより厳しくなります。
15歩を同歩と取るのは17歩で一丁上がり
以下同香は16歩同香24桂、同桂は16歩、同玉は49龍同銀39角でいずれも後手勝勢です。
第0‐30図から
▲36桂 △16歩 ▲44角 △同歩 ▲同桂 △22玉 ▲52桂成(第0‐31図)

36桂は次に44桂ではなく44角を狙って油断のならない手です。
かと言って35銀と大事を取るのは33角成同金45桂で一遍に怪しくなります。

したがって後手も強気の姿勢で攻め合います。
52桂成となって後手陣はかなり薄くなりましたが、この瞬間はまず詰みません。
この手番を活かして一気に寄せ切ります。
第0‐31図から
△17歩成 ▲同桂 △16桂 ▲39玉 △47歩 (結果図)

17歩成に同香も同香成同桂16桂で大同小異です。
39玉に47歩がぴったりの決め手
28角以下の詰めろですが、47同金には28角48玉68龍で詰み
47同銀も66角48金打28角以下受けなしです。
この歩を取れないようでは先手に受けはありません。
第0‐28図から①78角は75飛と走って終盤戦ですが、どうやら後手勝ちのレールに乗っているようです。

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