【四間飛車対策】金無双急戦(7) ~先手46歩型.06~

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第0‐8図まで戻り、(2)▲55歩とする手を見ていきます。

※本記事以降は手順の難しさが一段上がります。
とりあえず金無双急戦を指してみたい人は「下図まで進んでいい勝負」という認識で大丈夫です。

△同歩▲同角は先手良しなので後手はここで攻めることになります。

手段として△69飛or△79飛の2通り
更に次の▲54歩に対しても△54同銀or△44銀の2通りの対応があり
合計4通りの分岐があります。

それぞれのデメリットを挙げます
△69飛:▲78角or▲78銀が飛車に当たる
△79飛:▲78角or▲78銀打で動けない、△75飛に▲57角がある
△54同銀:▲53歩・▲55歩・▲59歩が生じる、▲84飛が銀桂の両取りになる
△44銀:▲54歩が拠点として残る、▲44角と切る手が生じる

この組み合わせがどれも難しくすべて追うととんでもない文量になるので、後手の対応を一つに絞り、残りの3つはさっと説明するに留めます。

(a)△69飛→△54同銀
第0‐8図から
▲55歩 △69飛 ▲54歩 △同銀 ▲78銀 (第0‐19図)

▲78銀は飛車の入手を狙った手です。
後手は(1)△65飛成 (2)△79飛成のどちらも有力です。

第0‐19図から
△65飛成 ▲55歩 △同銀 ▲83角 (第0‐20図)

先手は▲55歩で銀を角の射程に入れてから、飛車の両取りを放ちます。

第0‐20図から
△75龍 ▲55角 △78龍 ▲72角成 △同龍 ▲91角成結果図

なんとも派手な応酬ですが結果図まで進んでバランスが取れています。

先手は美濃が丸々生きていますが、△57歩や△15歩が飛んでくるので見た目ほどの耐久力はありません。

一方の後手玉も現状は大丈夫ですが、飛車を下ろされる展開になると手が伸びません。

結果図は難解な形勢で人によって判断が分かれそうなところです。

第0‐19図から
△79飛成 ▲53歩 △同金 ▲68金 (第0‐21図)

(2)△79飛成には▲68金で龍を捕獲しに行くのが先手の狙い筋ですが、その直前に▲53歩を利かすのが好手。

意味は本譜を追えばわかります。

第0‐20図から
△75飛 ▲66角打 △68龍 ▲75角 △78龍 (第0‐21図)

後手は攻めを続ける為に△75飛と走る一手です。

対して▲69金には△77飛成▲同桂△99龍で後手良し

▲66角打にも△68龍が切り返し、第0‐21図となっては2枚換えを実現した後手が大成功に見えます。

ところがここまで先手の手の平の上、ここから3手で景色が一変します。

第0‐21図から
▲53角成 △同金 ▲72飛結果図

▲53角成が次の一手のような好手、▲53歩△同金の利かしはこの手を狙ったものでした。

▲72飛と王手で下ろした結果図は先手優勢

△52歩には▲33角成が決まるので△21玉と頑張るのでしょうが、▲42金と迫るのが良く、△同銀▲同飛成で後手崩壊です。

後手が変化するなら▲53歩を手抜いて△78龍▲61角△62飛▲52歩成△同金▲83角成でしょうか。

やや先手が勝ちやすそうにも見えますが、これは互角の範疇だと思われます。

(a)△69飛→△54同銀はかなりいい勝負で、後手としてはこの変化を選ぶ価値は十分にあります。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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