33金型早繰り銀(19) ~先手37桂型.12~
↓前回の記事
第3‐43図を再掲します。
ここで(1)▲68銀 (2)▲88銀 (3)▲43と (4)▲56銀 が考えられます。
(1)▲68銀 (2)▲88銀 は以下△47と▲43ととして、2手後に△76歩と打った変化に合流します。
(3)▲43とは76歩を手抜いて攻め合いを目指した手で、この変化で1手早く△76歩を打った効果が表れます。
(4)▲56銀は銀を取らないなら逃げてしまおうという手で、△76歩を早く打った弊害ともいえる変化です。
後手はこれもクリアする必要があります。
(3)▲43と(4)▲56銀の順に見ていきます。
第3‐43図から
▲43と △77歩成 ▲同桂 △22歩 (第3‐44図)
▲77同桂に△47とは▲21龍で前回の記事と同じことになり先手が指せます。
△22歩と受けるのが後手の工夫です。
第3‐44図から
▲34龍 △33歩 ▲44龍 △43角 ▲同龍 (第3‐45図)
▲34龍に△33歩ともう1回追ってから、△43角とと金を払ってしまうのが好手。
部分的には物凄い駒損ですが、先手の攻めの速度を落とすことに成功したので、攻め合いに持ち込むつもりです。
すなわちここで後手は確実に迫る手が”ある”と言っているのです。
第3‐45図から
△47と (結果図)
銀を拾いながら先手玉に近付く△47とが盤上この一手
何を当たり前のこと言っているんだと思われるでしょうが、ここに後手の工夫が表れます。
上図(第3‐23図)は△76歩を打たずに単に△47とと取った変化
ここから△76歩は入らないという話をしましたが、ここで△22歩と受ける手もあるはずです。
以下同じように▲34龍△33歩▲44龍△43角▲同龍と進みます。
この局面では後手から確実に迫る手が”ない”のです。
すなわちここで△76歩は▲68銀と引かれて、以下▲37桂に△58金と上がられます。
54に角が居る状態では▲58金には△46歩が△36角を見てぴったりだったのですが、それは昔の話
上図となっては後手からの攻めが続かず先手優勢です。
△76歩のタイミングを1手早め、銀が「逃げる」「逃げない」を見極めてから手を選ぶことで後手は攻め合いに持ち込むことができました。
結果図は難解な終盤戦ですが、後手の方が攻めの組み立てが分かりやすく勝ちやすいでしょう。
↓次回の記事
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