【三間飛車対策】金無双急戦(2) 〜先手67銀型.1〜 

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初めに実戦で指されることの多い67銀型から見ていきましょう。

テーマ図から
▲67銀67銀型基本図

三間飛車と四間飛車の大きな違いの一つに駒組みの手順があります。

三間飛車は四間飛車に比べて左銀の自由度が大きく、雁木含みで序盤早々に▲67銀と上がったり、玉頭での活躍を見込んで美濃に組む前に▲57銀を決めることもできます。

67銀型は早い▲67銀から合流することも多く、最頻出の形です。

一方で△65歩早仕掛けへの耐性は高くなく、後手からするとありがたい相手です。

基本図から
△65歩 (第1−1図)

△65歩と単に突っ掛けるのが基本の攻め方です。

対して▲47金には△86歩▲同歩△66歩▲同銀△65歩▲同銀△77角成が狙い筋です。

以下▲同桂には△86飛、▲同飛にも△88角があって後手優勢です。

先手はこの筋に備える必要があります。

(1)▲68飛 (2)▲88飛を順に見ていきます。

第1-1図から
▲68飛 (第1−2図)

▲68飛は先手三間飛車の利を放棄した一手で、居飛車急戦党からすれば鼻で笑いたくなる類の手ですが、実戦での出現率はかなり高いはずです。

それだけ「戦いの起こる筋に飛車を回れ」の格言が強力なのでしょう。

さて上図は先手四間飛車vs金無双急戦の基本型です。

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ただし、先手が1手損したので、手番が先手ではなく後手にあります。

すなわち後手は1手余っている状況です。

対抗形の急戦で1手余った時の使い道は主に3通りです。

(a)△33角 (b)△94歩 (c)△81飛 の長所と短所を簡単に見ていきます。

(a)△33角は最も無難な手で、損にも得にもならないことがほとんどです。

すなわち第1-2図から(a)△33角に①▲47金②▲36歩のいずれも△75歩▲同歩△66歩▲76銀△62飛と進んで、後に△66角と後手から交換する展開になります。

この場合△33角は純粋なパスとなり、先手四間飛車vs金無双急戦の定跡に合流します。

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対四間飛車の知識がそのまま流用できると言うのが(a)△33角の最大の利点です。

(b)△94歩は見た目に反してかなり繊細な手です。

まず最大のメリットとして▲95角を消しています。

これはかなり重要で、仕掛けの前に△94歩を入れるのが必須となる形もあるぐらいです。

一方で後手の必殺手△94角が指せないのは見過ごせないデメリットです。

この2つの要素のどちらが大きいかは形によるとしか言えず、仕掛けの成否そのもの影響を与え得る手です。

また先手に▲96歩とお付き合いされたときのことも考える必要があります。

▲96歩も▲97桂や▲97角が生じる一方、▲96角の反撃が無くなるという難しい手です。

これらを総合的に判断する必要があるため、深い研究がないのなら(b)△94歩は避けるのが賢明です。

(c)△81飛は▲61飛成を消している・▲73銀成が当たらないといった大きな利点がある一方、欠点はほとんどありません。

迷わずこれを選びたいところですが、△73桂と跳ねる形に限るという条件付きです。

△73桂〜△81飛とすることで、実際に形勢を良く出来る手順があるので、次回で見ていきましょう。

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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