相掛かり 後手右玉(2)

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今回から具体的な手順を見ていきます。

初手から
▲26歩 △84歩 ▲25歩 △85歩 ▲78金 △32金 ▲38銀 △72銀 ▲96歩 (第1図)

9手目▲96歩が現代相掛かりの入り口です。

ここで▲58玉や▲68玉も指されており、それらには別の作戦を用意する必要があります。

ただしここでは「▲96歩が最強の9手目である」という前提に立っており、▲58玉や▲68玉は▲96歩ほど脅威ではないという扱い方をします。(機会があれば対策記事を書きます)

第1図から
△14歩 ▲36歩 △64歩 (第2図)

△14歩〜△64歩は安全に△63銀型に組む狙いで、上図から何の代償もなく△63銀と上がれれば後手成功です。

以下は先後同型の持久戦(ミラーゲームB)に進むのが妥当ですが、これは先手が良さを求めるのが難しい将棋となります。

詳しくは『現代相掛かり概論』Part2 をご覧ください。

第2図から
▲24歩 △同歩 ▲同飛 △63銀 ▲35歩 (第3図)

先手は▲24歩と動きます。

△63銀の次に△23歩と打たれると、先手は先述したミラーゲームBを避けるのが難しくなります。

故にここで明確な主張を作る必要があります。

そのための(恐らく唯一の)一手が▲35歩です。

後手の角の働きを抑えることで駒組み勝ちを狙います。

一方で先手が右辺に手を掛けたので、それを咎めるべく右玉に行くのが後手の構想です。

第3図から
△23歩 ▲26飛 △74歩 ▲37銀 △73桂 (第4図)

△73桂と桂馬の活用を優先して、△86歩〜△81飛とスムーズに一段目に飛車を引くのが序盤のポイントです。

▲37銀に代えて▲76歩△73桂▲77角と進めれば△86歩を防げそうですが、それには△34歩といきなり開戦する手が成立します。

▲同歩に△77角成〜△15角の王手飛車を狙っています。

以下は▲37銀△77角成▲同桂△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛▲34歩△62金▲58玉△52玉が進行の一例です。

大きな差がついている訳ではありませんが、桂頭の傷が大きく先手がまとめづらい将棋です。

第4図から(a)▲36銀 (b)▲76歩 を次回以降で順に見ていきます。

↓次回の記事

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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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