金曜詰将棋(2)の解答

第1問

▲93銀 △同玉 ▲85桂 △84玉 ▲75金 まで

初手に93銀と捨てるのが必修手筋で、同桂は82金なので同玉の一手ですが85桂と打って、上がっても落ちても金打ちまで。

初手82金から入るのは、以下93玉85桂84玉75銀85玉(下図)となってぎりぎり耐えています。

第2問

▲71銀 △92玉 ▲82金 △93玉 ▲66角 △84歩 ▲85桂 まで

意外と振り飛車党がうっかりしやすいのがこの筋。

71銀に同金は同角成、93玉は85桂で簡単なので92玉と逃げますが、82金から66角がぴったりで詰みます。

第3問

▲93香 △同玉 ▲82銀打 △92玉 ▲91銀成 △93玉 ▲82銀不成(下図) △同玉 ▲92金 まで

93香からの順はこれしかないところで、一見足りないようですが図の82銀不成が好手で詰め上がります。

3問とも基本的な問題で、有段者であれば解くのに時間がかからないと思いますが、これらの問題(特に第3問)を「読めば詰ませられる」状態と「詰む形と知っている」状態では大きな差があるというのが今回の主張です。

例えば下図

この局面、第3問の詰み筋を知っていればここで61とが詰めろになることがわかるので、「後手に57角などの攻防手がないか」だけに集中して読むことができます。

ところが第3問の詰み筋を知らないと「61とは詰めろか?」「詰まないとして後手の69龍はぱっと見詰めろだけど本当に詰むのか?」「仮に78銀打と受けた時に後手からの厳しい攻めはなにか?」と言った具合で読む要素、迷う要素が格段に増えます。

これらの迷いが逆転を生むことは皆さん経験上、痛いほど知っているはずです。

「71銀92玉は金銀香で詰み」
この機会に覚えてもらえればと思います。

ー本日の勉強ー
詰将棋 50問 棋譜並べ 1局 実戦 2局 (2敗 R2131→R2097)

金曜詰将棋(2)

みなさん一週間お疲れ様でした。

鈴虫の声に耳を澄ませながら、優雅に詰将棋なんていかがでしょうか?

今日は美濃を詰ます基本手筋を何問か。

易しめです。

第1問

第2問

第3問

ー本日の勉強ー
詰将棋 30問 棋譜並べ 1局 実戦 1局(1勝 R2116→R2131)
良い将棋指せた

対抗形で負けた

相居飛車はいいんですよ。

定跡に詳しいわけでもなく、どこから何が飛んでくるか分からないですから。

しかしですよ対抗形、振り飛車に対する急戦というのはそれで良くなる算段がついて仕掛けているわけでありまして。

それは過去の偉大なる先生方が残した定跡だったり、自分が時間を掛けて工夫を重ねた研究の一つの到達点なんですよ。

その優位を得るためにこれまでにどれだけの時間と情熱が注がれてきたか。

そしてその優位を得た局面から今まで自分はどれだけ負けてきたか。

その度にどれほど勉強して強くなってきたか。

今なおその局面から負けるというのは、過去の先生方や自分の努力に対する裏切りに等しいわけであります。

そしてそれはほんの少しの慢心によるものです。

恥ずかしい。

情けない。

ー本日の勉強ー
詰将棋 30問 棋譜並べ 1局 実戦 1局 (1敗 R2131→R2116)

菅井竜也先生

王位戦第7局が始まり、将棋ファンの皆さんは目が離せないところだと思います。

菅井先生について鮮烈に覚えているエピソードがあるのでその話をします。

菅井先生の地元岡山県では、お盆に菅井杯という大会が開催され、毎年賑わいを加速させています。

私も三年前から参加しているのですが、会場に着いて友人と話していると、3mほど先に菅井先生がいらっしゃってびっくりした思い出があります笑

菅井先生はファンとの距離が近くて大会中も感想戦に参加してくださったり、とても気さくな先生だと知りました。

そして一昨年の菅井杯にて。

大会も終わり、撤収までの間友人と10秒将棋を指していた時のことです。

後ろから「お疲れ様でした。」と声をかけられ、誰かな?と思って振り返ってみると、なんと菅井先生だったのです!

私が慌てて立ち上がって挨拶をしたのは言うまでもありません笑

菅井先生はその後、会場に残っていた人全員に声を掛けてから会場を後にされました。

何というかもう唖然として、こんな棋士が、こんな人がいるんだと…

それ以来すっかり人間・菅井竜也のファンです。

翌年の王位戦を見てからは棋士・菅井竜也の大ファンです。

角交換振り飛車をたまに指すようになったのもこの頃からです。

一ファンとして、菅井先生には王位でいてほしい。

そんな気持ちで第7局を見守っています。

ー本日の勉強ー
詰将棋30問 棋譜並べ1局 実戦1局 (1敗 R2143→R2131)

 

 

 

 

次の一手(1)の解答

問題図を再掲します。

ここで66角が妙手です。

44の角が浮いているのと後手の71玉型に目をつけた手で、次に63桂不成で角の素抜きを狙っています。

後手は①角を逃げる手 ②角に紐をつける手 のどちらかがあれば簡単に受かるのですが、この局面では適当な受けがありません。

実戦の82玉は仕方のないところですが、63桂成66角72成桂同金66歩(下図)となって気持ち良く桂が捌けて先手優勢となりました。

あまり見ない筋ですが、30秒将棋でこれが見えたのは幸運でした。

なお実戦はこのあと65歩からの攻めに対応を間違えて逆転負け。
将棋は難しい。

次の一手(1)

私の実戦から

後手四間飛車に右銀急戦で仕掛けた将棋です。

次に54歩から桂を取り切られる前に攻めをつなげる必要がありますが、ここで良い手がありました。

解答は明日の記事で発表します。

ー本日の勉強ー
詰将棋30問 棋譜並べ0局 実戦0局
ちと疲れた…

33金型早繰り銀(1)

今回から33金型早繰り銀を考察していきますが、「33金型早繰り銀とは何ぞや?」と思う方も多いと思うのでまずはその形をご覧下さい。

図の後手陣がそれで、その名の通り33金型に構えて早繰り銀に組んでいます。

図を見て「後手指しすぎじゃね?」と思った方は鋭い。

図の後手は一手得をしており実質的には先手です。

その代償として33金の悪型になっているのですが、この33金が早繰り銀と相性がいいと言うのがこの戦型の肝となります。

33金型を解説する前に、通常の角換わりにおける先手早繰り銀の問題点から見ていきましょう。

上図(第0図とします)はいわゆる角換わりで先手が早繰り銀、後手が腰掛け銀に一直線に進めた局面です。

次に45歩とされては銀が引くしかありませんから先手はここで仕掛けます。

第0図から
▲35歩 △45歩 ▲34歩 △46歩 ▲33歩成 △47歩成 ▲32と △46角 (結果図)

35歩を同歩と取ってくれれば同銀で先手絶好調、43銀は手筋ですが79玉としておいて、いつでも34歩同銀右36歩からの攻めがあるので先手不満はありません。

45歩が最強の反撃、先手は手を戻すと駒損になるので突っ込むしかありません。

互いににと金を作りあって先手が金得を果たしましたが、結果図の46角があまりにも厳しい反撃です。

飛車取りと同時に57とまたは57角成の攻めを見せており、32飛の援軍もあって先手が堪え切れません。

一方の後手玉は右辺に逃げる形が広く結果図は先手の勝てない将棋とされています。

もっともこれは後手が一直線に腰掛け銀を目指した場合で、14歩や74歩など他の手が一つでも入っていれば、先手早繰り銀は途端に有力な作戦に化けます。

上図は新人王戦の高野智史四段ー佐々木勇気六段の将棋です。

後手で14歩を早めに突く将棋は勇気先生が得意にされていますが、高野先生はそれを咎めるべく早繰り銀を採用しました。

前述したように後手に14歩の一手が入っているため腰掛け銀の受けが間に合っていません。

上図から35歩と突く手もありそうですが、実戦は79玉44歩35歩と進行。

これでも一直線に攻めあうと、先手の79玉が大きく46角が厳しくならないため、後手は35歩45歩34歩に同銀と手を戻すことになりました。

もちろん形勢はいい勝負でしょうが先手としては早繰り銀を採用した甲斐はありそうです。

と言うわけで、先手の早繰り銀は後手にまっすぐ来られると無理、一手稼げると有力。
これが角換わり早繰り銀の根幹をなす考え方です。

後手でそれをやろうと思えば二手稼ぐ必要がありますが、その難題を解決するべく生み出されたのが33金型です。

次回は33金型の序盤の駒組と「早繰り銀が間に合っている」理屈を説明していきます。

ー本日の勉強ー
詰将棋 30問 棋譜並べ1局 実戦2局(2敗 R2172→R2143)

↓次回の記事

後手番でいかに戦うか

先手番における勝率はプロの将棋で大体52〜53%だと聞きます。

アマチュアだと実際の勝率は気にするほどでも無いと思いますが、“主導権を取れるかどうか”で言うと全く話が違ってきます。

強い人だと「何でもお好きにいらっしゃい」と構えられるかもしれませんが、多くの人は局面の主導権を握っていきたいと考えてるのでは無いでしょうか。

その際に先後というのは大きな意味を持っていて、“同じように組むと先手が先に仕掛けられる”という当たり前の理屈からどうしても主導権は先手に移りがちです。

当然ながら後手番で積極的に動いていく将棋は数多く試されていて、横歩取り85飛戦法・ゴキゲン中飛車などはその典型で、実際に大流行しました。

ここで相居飛車の4大戦法についての現状を確認してみましょう。

矢倉は大変革を迎えていて急戦策を中心に後手に主導権があることが多くなり、実際に先手の採用率が激減しています。

相掛かりはどちらからも動いていきやすいですが、先手は戦法選択の時点で避けることができます。

横歩取りは青野流が主流となり、完全に先手に主導権があります。

角換わりは後手から仕掛ける形もありますが、基本的には手待ちの将棋です。

現状後手は基本的に角換わりか横歩取りを選ぶことになりますが、このどちらも先手に主導権があります。

これらを不満と見て後手から主導権を握りに行く将棋がかなり増えました。

飛車先切らせ型角換わりや極限早繰り銀、74歩取らせなる戦法まで出てきました。

しかし何と言ってもその典型は雁木でしょう。

現代将棋の至る所で雁木は出てきます。

代表例は角換わり拒否の雁木で、当初は先手もずいぶん手を焼いていましたが、最近では急戦で仕掛けるのが主流となり、形勢はともかくとして主導権は先手にあります。

雁木以外の戦法は先手に序盤から歩を渡す展開になりどうしても指しこなすのが難しいです。

では後手番で主導権を握りつつ狙いが明確で、なおかつ再現性が高い戦法はないかという話になってきますが、とっておきの作戦が一つあります。

次回から後手番の秘策“33金型早繰り銀”を数回に分けて考察していきます。

33金型早繰り銀(1)

ー本日の勉強ー
詰将棋 30問 棋譜並べ 1局 実戦 8局(6勝2敗 R2111→R2172)
いい調子

A級順位戦三回戦 久保ー羽生戦

最高でした。

何と言ってもまずは戦型。

居飛車急戦党で最近67銀型三間飛車に興味が出てきた私にとってはなんともタイムリーな戦型!

「先手三間飛車に急戦は難しい」というのは通説としてありますが、それはあくまでも68銀型の三間飛車の話であって、67銀型の三間飛車には早仕掛けで行ってみたくなる(65歩同歩77角成に同銀と取れない)というのは理屈として確かにあるんです。

そして振り飛車も65歩に68飛と回るような展開だと三間飛車にした甲斐がありませんから、上手から56銀と出るのは自然です。

またそこで居飛車も薄くなった角頭を狙って72飛と寄るのも至って自然です。

この辺りは当然ながら深い読みが入っているわけですが、その上で最も論理的な手をお互いに選択しているというとても好きな展開です。

以下大駒総交換となってなって下図

ここから74歩65桂63歩とするのは意外な順で桂が手順に捌けるので居飛車を持って悪い気はしないのですが49桂成同銀の形が隙がないと言っているわけですね。

少し進んで下図

この63歩のような手は実戦だとつい逃げてしまうのですが、ここから63同金61飛車52金打としたのは、個人的に本局で一番勉強になった順でした。

金は攻めに使いたいところですが、先手陣への早くはないが確実な手(本譜だと67角)があるので自玉の安全度を保つのが大事という判断なんですね。

下図の53金打も似た意味かと。

そして最終盤

14歩に12玉と引いた形が堅いので居飛車が残してそうですが、前に効く駒を渡すと一遍に寄せられてしまうので少しでも間違うと一気に振り飛車が勝ちになる局面です。

私なら居飛車を持って勝ちきる自信がありません。

しかしここでの33桂打が明快な決め手でした。

桂馬は渡しても怖くない上に次に25桂同金に33桂打のおかわりがきます。

以下は数手後に久保王将が投了、羽生竜王の勝利となりました。

羽生竜王の強さが光った一局だったのではないでしょうか。

薄い薄いと言われる舟囲いでの距離感が抜群だったように思います。

と言っても捌き合った局面は振り飛車が悪いという感じでもないので、今後の研究課題となっていくかも知れません。

ー本日の勉強ー

詰将棋 30問 棋譜並べ 1局 実戦 1局 (1勝 R2097→2111)
とりあえず四段復帰

金曜詰将棋(1)の解答

金曜詰将棋の解答を発表します。

1題目 (「塚田正夫の詰将棋」より)

▲22銀 △同金 ▲12飛 △同金 ▲24角成 まで5手詰め

初手12飛は同玉で続きません。

22銀と金を呼んでおくのがポイントで、4手目12同玉には22角成と出来る仕組みです。

最後はどっちでとっても角成りまで。

2題目 (「将棋世界」平成10年2月号付録「大五郎の痛快5手7手」より)

▲35桂 △同金 ▲32角 △同歩 ▲23龍 △同馬 ▲44金まで7手詰め

3手目は21角と打ちたくなるところで、32合は23龍以下詰みなのですが33玉と寄られて詰みません。

32角と歩頭に捨てるのが妙手で33玉には23金で詰みです。

以下は龍を捨てて頭金まで。