33金型早繰り銀に名前を付けてあげよう

私が33金型早繰り銀を発見して指し始めてから2年ぐらいになります。

相居飛車後手番の救世主となる、将棋の歴史を変え得る戦法だと個人的には思っているんですが、どういうわけか真似をする人がほとんどいない。

多少陣形が薄いとか、指しこなすのが難しいとかいう話はあるんですけど、そんなことは取るに足らないぐらいの明快さと何より楽しさがこの戦法にはあります。

じゃあなんで誰もやらないのか?

15分ほど頭を使って悩みに悩んだ結果、ピーンと来ました。

名前が良くないのではないか?

「33金型早繰り銀」

「33金型」の陣形に組んで「早繰り銀」の攻撃態勢を作る。

これ以上ないぐらいに戦法の特徴を端的に表しています。

しかし、それだけです。

かっこよさがない、かわいさもない、憧れも生まれなければ、信仰の対象にもならない。

最近はいろんな魅力的な名前の新戦法が出ています。

杉本先生の「さわやか流疾風三間飛車」

あれはいいですね。

杉本先生の印象を全面に押し出し、三間飛車の軽やかな捌きの性質ともマッチしています。

居飛車党の私ですが、読んだらさわやかになれる気がして本を買っちゃいました。

大橋先生の「耀龍ひねり飛車」

かっこいいですね。

「輝龍」は大橋先生の造語だそうですが、大橋先生のミステリアスなイメージとピッタリで憧れちゃいますね。

相掛かりの戦法の模索をしていた私は、本ももちろん買いました。

そして佐藤先生の「極限早繰り銀」

なんと言ってもこれでしょう。

この絶妙な中二感。

言ってる方も聞いてる方もちょっと恥ずかしくなるような名前ですが、この上なくキャッチーで、しかも戦法の性格を完璧に表しています。

この間「進化版」と題して2冊目が出たので、我慢できず買っちゃいました。

さあさあこれだけ自由に名前が付けられてる現代において「33金型早繰り銀」ですよ。

もうお話になりませんね。

「早繰り銀」はいいでしょう。

みんな知ってるし「早繰り銀」を成功させることこそが「33金型」の肝ですから。

問題は「33金型」ですよ。

まず戦法名に符号が入ってるのがとてもよくない。

「棒銀」

いいでしょう、みんな大好きです。

「対振り飛車棒銀」

ちょっと専門的になりましたね。

角換わりとか相掛かりの棒銀とは別の、振り飛車に対する棒銀です。

これもある程度戦法を覚え始めればイメージはつくと思います。

「対四間飛車棒銀後手65歩型」

は?

いや、分かりますよ。

5年ぐらい来る日も来る日も棒銀を指し続けた私には、「65歩」がどの局面での65歩を指しているのかもわかりますし、そこからの定跡もある程度は理解しています。

しかしそれは私が有段者で棒銀の専門家だからです。

初心者、級位者にはなんのこっちゃわからないでしょう。

そして「対四間飛車棒銀後手65歩型」に対するイメージは「難しそう」になっちゃうでしょう。

実際には「後手65歩型」は「対振り棒銀」という巨大定跡の中の一変化で、言ってみればかなり専門的な話なので、これに符号が使われているのは問題ではありません。

ですが「33金型早繰り銀」はそれ自体が一つの戦法です。

アイデア自体は何も難しくありませんし、腰掛け銀なんかよりずっとシンプルです。

にもかかわらず「33金型」という名前をみて級位者は「難しそう」と眉をひそめます。

これは由々しき問題です。

では有段者はどうなのか?

序盤定跡を一通り理解しており、角換わりの後手番では玉を反復横跳びしているような真っ当な将棋指しはどうなのか?

彼らもまた「33金型」という字面を見て眉をひそめます。

将棋には「良い形」というのがあります。

38金・49銀より38銀・49金の方が良い形ですし、88金・78玉より78金・88玉が良い形です。

この判断は将棋が強くなるにつれて正確に行えるようなにります。

そして「良い形」があれば当然「悪い形」もあります。

「33金型」というのはその「悪い形」の典型のようなものなのです。

①金銀が離れている②45桂が金に当たるというのが主な理由ですね。

こと早繰り銀に関してはこの33金型が悪形とも言えないというのが33金型の優秀なところなんですが、いかんせんイメージが悪く、奇襲戦法とまでは言わなくても、王道からは外れている印象を与えてしまいます。

したがって33金型はなかなか有段者からも指してみようとは思われないのが現状です。

ここまで話せばお分かりでしょう。

「33金型早繰り銀」がブレイクするために必要なもの

それは定跡の整備でもさらなる広報でもなく、ズバリ「改名」です。

「33金型早繰り銀」に代わるキャッチーで、かっこよくて、みんなが憧れる、欲を言えば温厚で繊細で知的な私のイメージを乗せた、新しい名前を募集します!

さあチャンスですよ皆さん!

今なら将棋史に名を残す画期的戦法にオリジナルの名前をつけることができます。

令和の加藤治郎と呼ばれること請け負いです。

いい名前が浮かんだ方は是非コメント欄もしくは私のTwitter( https://twitter.com/shun24nishimura )までDMにて。

皆さんのアイデアをお待ちしています!

昇段のことば

昨日、将棋倶楽部24でR2300、五段昇段を達成しました。

いやぁ長かった。

これまでの将棋人生で実力の向上の目標として、ずっと24のRを指標にしてきました。

大学1年生の夏に24を始めた時が1000弱、2年の冬で1800ぐらい、2000を超えたのは3年の秋頃だったと記憶しています。

在学中に2200までは行ったので、2300を2018年の目標にしてきて、かなり指し込んだのですが届かず。

半年以上遅れてようやく達成することができました。

好調の要因を考えたところ

(1)苦手としていた作戦の回避 (2)エース戦法の獲得 (3)大局観の向上

の3点が挙がりました。

(1)については明快で後手相掛かりを避けました。

自分は作戦選択として「先攻し、局面の主導権を握る」ことを最優先に置いているのですが、後手相掛かりではどうしてもそれができないので思い切って捨てました。

代わりに阪田流向かい飛車や角交換振り飛車、ツノ銀中飛車といった、今までほとんど経験のなかった戦法を採用していますが、イメージよりもこれらの戦法で勝てていることが大きいです。

(2)は33金型早繰り銀です。

開発から2年ぐらい、来る日も来る日も33金型早繰り銀を指し続けてきましたが、最近になってようやく勝率が向上し、エースと呼べる戦法へと昇華しました。

手順の研究についてもそうですが、感覚として少し特殊なところがあるので、それを習得するのに時間がかかりました。

(3)については特別大きなことはしていませんが、単純に「筋が良くなった」というお話です。

日々の対局と検討を地道に続けてきた成果だと思います。

次は2400ですね。

まだまだ遠いところにありますが、研磨の日々を続けていきます。