金無双急戦(5) ~先手46歩型.04~

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第0‐8図から(1)36歩と桂頭攻めを見せる展開を見ていきます。

第0‐8図から
▲36歩 △44銀 ▲45歩 △同銀 ▲47金 (第0‐9図)

36歩に44銀の活用がぴったりに見えますが、45歩とぽんと突き出すのが手筋の一着。

同銀の1手に47金で銀ばさみの完成、次に46歩または37桂で銀が取れます。

一方で先手左辺の守りは薄くなっているので飛車の打ち込みは許すことになります。

第0‐9図から
△75飛 (第0‐10図)

なにはともあれ後手は飛車を捌いておきます。

先手は狙い通り銀を取りに行きますが①46歩②37桂の二つの方法があります。

全く違った展開になるので、方針とともにそれぞれ手順を追っていきます。

第0‐10図から
▲46歩 △69飛 ▲78銀 △79飛成 ▲57角 (第0‐11図)

46歩は着実ですが次に45歩と取った形が甘いので、後手はその間に先手左辺を荒らしていきます。

69飛が銀桂両取りの厳しい一着

対して58銀と形良く引きたいところですが、89飛成66角打に76歩が好手

以下75角77歩成45歩68とで後手優勢です。

本譜は78銀とこちらに引き57角が期待の反撃です。

第0‐11図から
△77飛成 ▲同銀 (第0‐12図)

77飛成は駒損を回避してこの一手です。

迎えた第0‐12図

ここで89龍はこの上なく自然ですが45歩で先手の構想が実現します。

99龍と香をとれば一時的には駒得ですが、61飛から桂香を拾われるので潜在的に駒損です。

なにより先手の高美濃が健在で、57角と合わせてかなりの防御力です。

これでは面白くないので後手はもっと過激に行きます。

第0‐12図から
△49龍 ▲同銀 △56銀 (第0‐13図)


49龍といきなり龍を切ったかと思えば取られそうだった45の銀も放り捨てます。

第0‐13図から
▲同金 △67角 (結果図)

同金の一手に67角と大技を繰り出して結果図

次に49角成とされては受けがなくなるので38銀打ぐらいでしょうが、56角成がまた角に当たって後手優勢です。

後手の金無双は二枚飛車にかなり弱い為、通常は飛車を2枚渡す攻めはできないのですが、この場合は先手陣の損傷が大きすぎるのと、71飛~61飛打に51金打同飛成同金同飛成の形がしっかりしているので成立しています。

第0‐10図から①46歩は69飛からの攻めが厳しく後手優勢です。

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金無双急戦(4) ~先手46歩型.03~

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第0‐2図より(b)65歩を見ていきます。

当然ともいえる反発で決戦は免れません。

第0‐2図から
▲65歩 △77角成 ▲同飛 △53銀 ▲75歩 (第0‐6図)

53銀と引くのは迫力に欠ける気もしますが、この銀は後に守り駒として働いてくれます。

第0‐6図では角を打つ一手ですがどこから打つのが良いでしょうか?

第0‐6図から
△33角 (第0‐7図)

33角と自陣から打つのが正着です。

代えて88角も魅力的ですが66角と切り返されます。

以下33桂は78飛66角成同銀で切れ筋なので77角成と飛車を取りますが同桂と手順に跳ねて先手好調です。

以下33桂には45歩と突くのが好手で、次の46角が分かっていても防げません。

本譜33角とこのラインに先着するのが必須でした。

第0‐7図から
▲68角 △77角成 ▲同角 △33桂 (第0‐8図)

33角に対する68角も受けの手筋

代えて「我関せず」と36歩と突いておく手も見えます。

以下77角成同桂79飛には66角で受かっているというのが先手の言い分です。

確かに上図となれば先手十分ですが、36歩には22銀と1手ためるのが落ち着いた好手です。

これで後の66角が消えているので次こそ77角成が来ます。

したがって先手は上図で68角と手が戻ることになりますが、この局面では36歩よりも22銀の方が価値が高く後手が得をしています。

本譜33桂の局面を再掲します。(第0‐8図)

ここから先手は
(1)桂頭を攻める36歩
(2)角に捌きを付ける55歩
の二通りの手段があります。

次回以降で順に見ていきます。

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金無双急戦(3) ~先手46歩型.02~

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第0‐2図より(a)88角を見ていきます。

88角は弱気な手で結論から言うと居飛車が良くなります。

第0‐2図から
▲88角 △76歩 ▲同銀 △77歩 (第0‐3図)

77歩と焦点に打つのが古来有名な手筋です。

同飛以外は駒損します。

第0‐3図から
▲同飛 △66角 ▲67銀 △77角成 ▲同角 △33桂 (第0‐4図)

77歩以降は変化の余地がなく、第0‐4図まで進んで後手優勢です。

77歩からの飛角交換は対振り急戦で頻出しますが、上図は居飛車の条件が良すぎます。

比較として下図を挙げます。

こちらは後手四間飛車対棒銀の定跡型です。(便宜上先後逆)

棒銀が84に取り残されていますが、それでも居飛車が僅かに指せるとされている変化です。

これと比べると第0‐4図がいかに居飛車の条件が良いかわかってもらえると思います。

駒の働きが段違いです。

良さを具体的にする為にもう少し進めてみます。

第0‐4図から
▲36歩 △79飛 ▲35歩 △89飛成 ▲76歩(第0‐5図)

36歩からの桂頭攻めはこれしかないところで、後手からすると怖い攻めではあるのですが、89飛成が先手で入るのがすこぶる大きいです。

振り飛車側が典型的な「1手間に合っていない」状況です。

第0‐5図から
△36桂 ▲37玉 △35歩 (結果図)

36桂に18玉は15歩で受けなし。

37玉の1手に35歩と戻す手がぴったりで結果図は後手勝勢です。

第0‐2図から(a)88角は居飛車良しです。

↓次回の記事

金無双急戦(2) ~先手46歩型.01~

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先手の対応としてもっともメジャーな46歩型を見ていきます。

とりあえずここの基本変化を抑えておけば金無双急戦は指せます。

テーマ図から
▲ 46歩 (46歩型基本図)

上図を46歩型の基本図とします。

基本図から
△64銀 ▲56歩 (第0‐1図)

46歩で後の46角が消えたのを見て、後手は64銀と繰り出します。

対して56歩は55銀を消して、ほとんど絶対手。

例えば56歩に代えて36歩とすると、以下75歩78飛76歩同銀72飛65歩77角成同飛に55銀と出られて先手が困ります。(下図)

ここで67銀と飛車交換を迫るのが手筋ですが、77飛成同桂76歩同銀79飛と進めて後手が指せます。(下図)

先手の76銀と後手の55銀の働きの差が一目瞭然で、66角のラインも消しています。

本譜に戻ります。

第0‐1図から
△75歩 ▲78飛 △72飛 (第0-2図)

75歩78飛に単に72飛と寄るのが工夫の一手

76歩同銀を入れてから72飛とするのも自然ですが、当然ながら65歩から決戦になります。

以下77角成同飛53銀67銀77飛成同桂(下図)

ここで67歩同銀79飛の手筋はありますが71飛77飛成68角で先手良し。(下図)

先手はすんなり桂香を拾えますが、後手は99龍に77角の切り返しを消す為に1手入れなければいけないのが辛いのです。

本譜72飛への先手の対応として
(a)88角(b)65歩(本命)を次回以降で見ていきます。

↓次回の記事

金無双急戦(1)

先手四間飛車対策としての金無双急戦を考察していきます。

なぜ先手四間飛車なのか?

理由は二つ
・後手四間飛車相手には既存の急戦で有力なものがいくらでもある
・居飛車が先手だと仕掛けの直前で1手余ってしまう(後述)

テーマ図の1手前の局面を示します。(第0図とします)

居飛車が最速で仕掛けを狙うならここで(a)64銀(b)64歩の2通りが考えられます。

しかし(a)64銀には56歩

(b)64歩には56銀

がいずれも優秀な対応で振り飛車に分のある戦いになります。

したがって居飛車は第0図から1手待って、
・46歩には64銀(後の46角が消えている)
・56歩には64歩(56銀が消えている)
と仕掛けたいわけです。
(これが居飛車が先手番だと1手余る理屈でもあります)

その為の有効な待ち方が第0図からの42金上です。

上図を本戦法のテーマ図とします。

後手の31銀・42金・52金の形が相振り飛車で用いられる金無双と同じなので「金無双急戦」と言う名前で呼ばれることが多く、本記事でもその呼び名を採用します。

この金無双急戦の最大の特徴は「堅い」こと。

反面、盤面左側での戦力は少ないため、「抑え込む」のではなく「有利な条件で捌き合う」ことを目指すのが共通の指針になります。

次回以降の記事でテーマ図から
・46歩 (先手46歩型)
・56歩 (先手56歩型)
・98香 (先手98香型)
を順に考察してきます。

↓次回の記事

徳島県最強位戦に出てきました

予選を2勝1敗で通過。

決勝トーナメントの1回戦を勝ち、2回戦で敗れてベスト8という結果でした。

各対局を簡単に振り返ります。

予選1回戦
角換わり早繰り銀 負け

後手番でしたが、先手が77角→22角成と2手損で角交換をしてきたので、実質1手損角換わりの先手番に。

銀交換に成功してやや模様の良さそうなところで、飛車の逃げ場所を間違えて玉と飛車を一緒に攻められる展開に。

そのまま上から押し潰されてボロ負けでした。

予選2回戦
ツノ銀中飛車vs矢倉棒銀 勝ち

驚くなかれ、私が中飛車側です。

26歩34歩76歩32金25歩33角として33角成なら同金から阪田流向かい飛車ですが、78金としてきたので44歩と止めてから中飛車に構えました。

用意していた構想で、先手が急戦に来るなら78金が無駄手で、持久戦を狙うなら銀冠しかないので74歩〜64歩〜73桂から狙い撃ちしていきます。

実戦は先手が加藤流の対振り矢倉棒銀を採用ということでかなり親近感を覚えましたが、そうも言ってられません。

やや無理気味に動いてきたところを反撃して綺麗に1手勝ちでした。

予選3回戦
後手向かい飛車vs右銀急戦 勝ち

角道を開けずに仕掛ける得意の形

後手の対応があまり良くなく右銀が44まで出れてかなり優勢に。

以下は後手の攻めに丁寧に丁寧に対応して、ほとんど切れたところで攻めて勝ち。

うまくいきました。

トーナメント1回戦
角対抗相早繰り銀 勝ち

先後同型から58玉に75歩と後手が仕掛けてきたので継ぎ歩で反撃して有利に。

無理やり暴れてくる後手をいなして、もらった飛車で反撃して勝ち。

研究が活きた形。

トーナメント2回戦
77金型早繰り銀vs後手早繰り銀 負け

15歩・95歩と位を取り合う形に

14歩同歩12歩から香を取りにいってかなり激しくなりましたが、仕掛けの数手後に後手の好手があったのを見落としていてやや不利に。

結果的には無理な仕掛けでした。

しかし、その後後手にも疑問手が出て、難解な終盤戦に。

二択で一方が勝ちの局面を迎えましたが、そこで間違えて以下は負け。

かなり悔しいです。

総評

1局目は大反省。

通常の角換わり早繰り銀の定跡を勉強してないのが祟りました。

2〜4局目は概ね良し。

振り飛車の勝ち方についてかなり理解が浅いので、四間飛車名局集あたりを並べる必要はありそうです。

5局目はある程度仕方ないかなと。

後で知った話ですが、対局相手がかなりの強豪でこの間のアマ名人戦予選でも代表を取られている方でした。

勿論負けて良い相手なんていませんし、実戦も勝つチャンスはあったのですが、結果として負けているのでそこは実力が足りなかったとしか言えません。

ただ1局を通して難しい将棋だったので、実力に大きな差は無さそうというイメージです。

また毎日鍛えていくしかないです。

次は9/1のアマ王将四国地区予選

他地区からも強豪が来るので段違いにレベルが高くなりますが、良い勉強機会だと思って頑張ってきます。

徳島県最強位戦に出てきます

明日8/18(日)、徳島県最強位戦に出場してきます。

全国大会に繋がるわけではないですが、県内では比較的大きな大会で役者は揃ってるイメージです。

前回出たのが6月のアマ名人戦なのでまる2ヶ月ぶりの大会ですね。

最近の私はと言えば、アホみたいに将棋を指してます。

我ながら呆れるぐらいです。

そしてすこぶる状態が良い。

間違いなく過去最強です。

明日、意識することは2点
・仕掛けの前に一呼吸置いて考える
・踏み込むことを恐れない

優勝してきます。

33金型早繰り銀に名前を付けてあげよう

私が33金型早繰り銀を発見して指し始めてから2年ぐらいになります。

相居飛車後手番の救世主となる、将棋の歴史を変え得る戦法だと個人的には思っているんですが、どういうわけか真似をする人がほとんどいない。

多少陣形が薄いとか、指しこなすのが難しいとかいう話はあるんですけど、そんなことは取るに足らないぐらいの明快さと何より楽しさがこの戦法にはあります。

じゃあなんで誰もやらないのか?

15分ほど頭を使って悩みに悩んだ結果、ピーンと来ました。

名前が良くないのではないか?

「33金型早繰り銀」

「33金型」の陣形に組んで「早繰り銀」の攻撃態勢を作る。

これ以上ないぐらいに戦法の特徴を端的に表しています。

しかし、それだけです。

かっこよさがない、かわいさもない、憧れも生まれなければ、信仰の対象にもならない。

最近はいろんな魅力的な名前の新戦法が出ています。

杉本先生の「さわやか流疾風三間飛車」

あれはいいですね。

杉本先生の印象を全面に押し出し、三間飛車の軽やかな捌きの性質ともマッチしています。

居飛車党の私ですが、読んだらさわやかになれる気がして本を買っちゃいました。

大橋先生の「耀龍ひねり飛車」

かっこいいですね。

「輝龍」は大橋先生の造語だそうですが、大橋先生のミステリアスなイメージとピッタリで憧れちゃいますね。

相掛かりの戦法の模索をしていた私は、本ももちろん買いました。

そして佐藤先生の「極限早繰り銀」

なんと言ってもこれでしょう。

この絶妙な中二感。

言ってる方も聞いてる方もちょっと恥ずかしくなるような名前ですが、この上なくキャッチーで、しかも戦法の性格を完璧に表しています。

この間「進化版」と題して2冊目が出たので、我慢できず買っちゃいました。

さあさあこれだけ自由に名前が付けられてる現代において「33金型早繰り銀」ですよ。

もうお話になりませんね。

「早繰り銀」はいいでしょう。

みんな知ってるし「早繰り銀」を成功させることこそが「33金型」の肝ですから。

問題は「33金型」ですよ。

まず戦法名に符号が入ってるのがとてもよくない。

「棒銀」

いいでしょう、みんな大好きです。

「対振り飛車棒銀」

ちょっと専門的になりましたね。

角換わりとか相掛かりの棒銀とは別の、振り飛車に対する棒銀です。

これもある程度戦法を覚え始めればイメージはつくと思います。

「対四間飛車棒銀後手65歩型」

は?

いや、分かりますよ。

5年ぐらい来る日も来る日も棒銀を指し続けた私には、「65歩」がどの局面での65歩を指しているのかもわかりますし、そこからの定跡もある程度は理解しています。

しかしそれは私が有段者で棒銀の専門家だからです。

初心者、級位者にはなんのこっちゃわからないでしょう。

そして「対四間飛車棒銀後手65歩型」に対するイメージは「難しそう」になっちゃうでしょう。

実際には「後手65歩型」は「対振り棒銀」という巨大定跡の中の一変化で、言ってみればかなり専門的な話なので、これに符号が使われているのは問題ではありません。

ですが「33金型早繰り銀」はそれ自体が一つの戦法です。

アイデア自体は何も難しくありませんし、腰掛け銀なんかよりずっとシンプルです。

にもかかわらず「33金型」という名前をみて級位者は「難しそう」と眉をひそめます。

これは由々しき問題です。

では有段者はどうなのか?

序盤定跡を一通り理解しており、角換わりの後手番では玉を反復横跳びしているような真っ当な将棋指しはどうなのか?

彼らもまた「33金型」という字面を見て眉をひそめます。

将棋には「良い形」というのがあります。

38金・49銀より38銀・49金の方が良い形ですし、88金・78玉より78金・88玉が良い形です。

この判断は将棋が強くなるにつれて正確に行えるようなにります。

そして「良い形」があれば当然「悪い形」もあります。

「33金型」というのはその「悪い形」の典型のようなものなのです。

①金銀が離れている②45桂が金に当たるというのが主な理由ですね。

こと早繰り銀に関してはこの33金型が悪形とも言えないというのが33金型の優秀なところなんですが、いかんせんイメージが悪く、奇襲戦法とまでは言わなくても、王道からは外れている印象を与えてしまいます。

したがって33金型はなかなか有段者からも指してみようとは思われないのが現状です。

ここまで話せばお分かりでしょう。

「33金型早繰り銀」がブレイクするために必要なもの

それは定跡の整備でもさらなる広報でもなく、ズバリ「改名」です。

「33金型早繰り銀」に代わるキャッチーで、かっこよくて、みんなが憧れる、欲を言えば温厚で繊細で知的な私のイメージを乗せた、新しい名前を募集します!

さあチャンスですよ皆さん!

今なら将棋史に名を残す画期的戦法にオリジナルの名前をつけることができます。

令和の加藤治郎と呼ばれること請け負いです。

いい名前が浮かんだ方は是非コメント欄もしくは私のTwitter( https://twitter.com/shun24nishimura )までDMにて。

皆さんのアイデアをお待ちしています!

昇段のことば

昨日、将棋倶楽部24でR2300、五段昇段を達成しました。

いやぁ長かった。

これまでの将棋人生で実力の向上の目標として、ずっと24のRを指標にしてきました。

大学1年生の夏に24を始めた時が1000弱、2年の冬で1800ぐらい、2000を超えたのは3年の秋頃だったと記憶しています。

在学中に2200までは行ったので、2300を2018年の目標にしてきて、かなり指し込んだのですが届かず。

半年以上遅れてようやく達成することができました。

好調の要因を考えたところ

(1)苦手としていた作戦の回避 (2)エース戦法の獲得 (3)大局観の向上

の3点が挙がりました。

(1)については明快で後手相掛かりを避けました。

自分は作戦選択として「先攻し、局面の主導権を握る」ことを最優先に置いているのですが、後手相掛かりではどうしてもそれができないので思い切って捨てました。

代わりに阪田流向かい飛車や角交換振り飛車、ツノ銀中飛車といった、今までほとんど経験のなかった戦法を採用していますが、イメージよりもこれらの戦法で勝てていることが大きいです。

(2)は33金型早繰り銀です。

開発から2年ぐらい、来る日も来る日も33金型早繰り銀を指し続けてきましたが、最近になってようやく勝率が向上し、エースと呼べる戦法へと昇華しました。

手順の研究についてもそうですが、感覚として少し特殊なところがあるので、それを習得するのに時間がかかりました。

(3)については特別大きなことはしていませんが、単純に「筋が良くなった」というお話です。

日々の対局と検討を地道に続けてきた成果だと思います。

次は2400ですね。

まだまだ遠いところにありますが、研磨の日々を続けていきます。

極限自戦記No.01(2)

極限自戦記 No.01(1) (前回の記事)

さて先手が25歩と合わせて2筋の突破を図ったところまで進みました。(第5図)

 

次の一手は62飛か76銀と読んでいましたが意外な手が飛んできました。

第5図から
△54金 (第6図)

 

自陣の金を繰り出しこちらの銀に当てており、それだけ見れば自然な手なのですが、当然ながら先手に次の切り返しがあります。

第6図から
▲55銀(第7図)

 

この55銀が当てられた銀を金に当て返してぴったりの一手です。

第7図から
△同金 ▲同歩 (第8図)

 

第8図までは自然な進行ですが、ここで私は局面が良くなったと感じました。

理由としては以下の2点

(1)大きな駒得であること

一般的に金銀交換では金の方が僅かに価値が高いとされていますが、当然ながらそれは局面によって変わってきます。

そしてこの将棋においては金の価値がすこぶる高いと感じていました。

体感的には角銀交換ぐらいの駒得です。

なぜ金の価値が高いかについては後述します。

(2)後手の角を抑え込めたこと

54金55銀同金同歩の順で先手の歩が55まで伸びました。

これがすこぶる大きいのです。

後手は少ない攻め駒で攻めの形を作る必要がありますが、第5図の段階ではいつでも45歩が決戦の手段として存在し、先手はそれを警戒して駒組を進める必要がありました。

ところが5筋の歩が55まで進んだことで後手からの45歩が全く怖くなくなりました。

すなわち後手の角の(潜在的な)働きが大いに低下したのです。

そして働きの落ちた角は2筋から伸びていく歩の格好の目標です。

(1)駒得と(2)駒の働きという2点において先手はここ数手でポイントを上げることに成功しました。

そしてこれを引き起こした54金は疑問手、第8図は先手良しというのが対局中の判断です。

※対局中はここまではっきりと言語化しているわけではありません。

本譜に戻ります。

第8図から
△62飛 (第9図)

62飛は当然の一手で、代えて76銀には75金があります。(下図)

以下65銀打には66歩、先手は銀二枚を召し捕ることができるので後手の攻めは完切れです。

そしてこの75金があることで、6,7筋での銀の進出に強い制限を掛けていること。

これが金銀交換を大きな駒得と表現した理由です。

 

さて迎えた第9図は先手良し、ここからは後手の攻めを見切りつつ2筋の突破を間に合わせれればリードを広げられます。

ところで、私はこの対局でそれとわかる悪手を3つ指しています。

そしてそのうち最大の悪手が第9図からの次の手です。

続きます。