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第3‐24図から(2)88銀とこちらに引く手を見ていきます。

88銀は壁銀になるため実戦では選びづらい手ではありますが、ぎりぎりの一手争いで油断は禁物です。
第3‐24図から
▲88銀 △37桂 ▲39金 (第3‐33図)

やはり金を狙う37桂が急所の攻めです。
次に49桂成から必至が掛かるので、先手は金を逃げる一手です。
第3‐33図から
△38歩 ▲同金 △57と (第3‐34図)

38同金に同とは甘く、21龍で攻守が逆転します。
57とと詰めろで迫ります。
第3‐34図から
▲58歩 △65角 ▲37金 △48銀 ▲69玉 (第3‐35図)

65角と金取りに覗くのが好手で受けにくい手です。
この手を見た38歩の叩きでした。
第3‐35図では37銀成が詰めろなのでそれで良さそうですが、25角が絶好手で切り返されます。

58と同玉に47角成を消しつつ、後手玉に52金以下の詰めろ掛けた「詰めろ逃れの詰めろ」です。
37銀成に代わる手も難しそうですが、ここで後手にはずっと狙っていた手がありました。
第3‐35図から
△22飛 (第3‐36図)

22飛がなんとも派手なぶっつけ
後手の攻めはこの手を決め手にする組み立てでした。
同龍同銀となれば後手玉が詰まず先手玉は受けなしです。
34龍と逃げるのも29飛成の一手詰め
先手に手段が見当たらないようですが、一つだけ土俵際で踏ん張る手があります。
第3‐36図から
▲16角 (第3‐37図)

16角が23飛に52金を用意しつつ、将来の29飛成に49桂で凌ぐ手を見せた攻防手です。
次に22龍と取られると後手の負けです。
第3‐37図から
△34歩 (第3‐38図)

34歩の中合いが絶対手
これを同角と取るのは43角が決め手になります。

同龍は29飛成の一手詰め、これが34歩を利かした効果です。
同角成に23飛として後手がはっきり勝ちです。
第3‐38図から
▲34同龍 △29飛成 ▲49桂 △62玉 (第3‐39図)

仕方のない34同龍に29飛成が実現しました。
49桂に同銀成と取るのは52金で詰まされます。
丁寧に62玉と詰めろを外しておきます。
対して31龍は詰めろにならないので49銀成で後手の勝ちです。
第3‐39図から
▲57歩 △38歩(結果図)

57歩に49銀成は68金で粘られます。
38歩が最後の一歩を使ったぴったりの決め手
結果図以下は68金49龍78玉77桂同桂同歩成同銀37銀成で一手一手です。
第3‐24図から(2)88銀は37桂から攻め立てて、65角~22飛というダイナミックな寄せが炸裂します。
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