極限自戦記 No.01(1)

タイトルのセンスはとりあえず置いておきましょう。

自分の指した将棋から「対局中に何を考えていたか」に焦点を絞り、1手1手の意味を可能な限り丁寧に振り返ります。

私の棋力(24で四段)ぐらいの人が「何故その指し手を選んだか?」が少しでも伝われば幸いです。

舞台はアマ名人戦徳島県予選、勝てばベスト16で二日目に残ります。
対するは徳島大学のエース、県内1,2を争う強豪で格上です。

では参ります。

第1図 24手目△52金左まで

後手四間飛車に対する57銀左急戦の基本形と呼べる局面です。

ここから先手には棒銀、斜め棒銀、45歩早仕掛け、5筋位取りなど多様な作戦があります。

私はそれらとは違う作戦を選びました。

第1図から
▲37桂 (第2図)

ここで桂を跳ねるのが愛用している形です。

以前記事にしたので良ければそちらも参照してください。

37桂システム(1)

対して①54歩 ②64歩 ③54銀 が考えられますが実戦は③54銀を選ばれました。

一番の強敵となる指し手です。

第2図から
△54銀 ▲66銀 △64歩 ▲55銀 (第3図)

66銀から55銀とぶつけていくのがこの戦法の骨子で、狙いは以下の記事に少し詳しく書いてあります。

37桂システム(3)

ここでまた後手は三択で①55同銀 ②63銀 ③65銀があります。

実戦は迷わず③65銀でやはり一番厄介な指し手です。

この辺りは研究範囲ではないと思うのですが、感覚で一番いい手を選ぶあたり流石だなと対局中は舌を巻きました。

第3図から
△65銀 ▲24歩 △同歩 ▲64銀 △43金 (第4図)

この43金で私の研究を外れました。

ここは76銀の一手だと考えていて、以下55銀と戻って①22歩と②35歩同歩34歩を狙いにしてどうかという将棋です。(下図)

43金というのは62飛を可能にし飛車のさばきを優先させた手です。

同時に3,4筋を手厚くしているので22歩も35歩も利きません。

したがってこの局面での指し手は限られていて、浮かんだ順に①97角と②25歩を読みました。

①97角には62金と上がられて、79角に45歩と角道を開けられるのが受け辛い手です。(下図)

以下88角ぐらいですが同角成同玉54金(下図)、これは後手の美濃囲いが乱れているようでも61歩の底歩が利くためかなり堅く、居飛車がまずそうです。

だいたいこのあたりまで読んで①97角を切り捨てました。

※実際にはその前に97角52飛22歩の変化なども読んでいますが、途中で62金の方が困りそうだと思い読む順番を切り替えました。
62金に対し良い攻め方が見つかればそこで改めて52飛を読みます。

この時点で次の指し手は消去法的に②25歩に決まりますが、返し技がないかを少しだけ確認してから着手しました。

第4図から
▲25歩 (第5図)

25歩というのは相手が76銀と出てないから可能な手であり、一番自然な手と言えます。

そして同歩と取れない為、これで部分的に2筋が受かりません。

したがって後手は玉頭方面から攻めてくることになります。

また先手の2筋突破は確実な一方、スピードには欠けるので真っ直ぐな攻め合いは後手に分が有ります。

すなわち今後の展開として「後手の攻めをいなしつつ、2筋からの飛車の成り込みを間に合わせる」が先手の目指すべき勝ち方であり、25歩というのはこのような展開を受け入れる覚悟を決めた手でもあります。

続きます。

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