相掛かり後手”W美濃戦法” 概論

後手相掛かりの新規軸として”W美濃戦法”をご紹介します。

上図が基本図

△32銀型が工夫です。

左右両方に美濃囲いを作っておいて、先手が
(1)左辺に手を掛けてきたら左美濃+早繰り銀で突破
(2)右辺で攻撃形を築いてきたら右美濃+ひねり飛車で迎撃
が基本方針です。

どっちに行っても美濃囲いで戦うことができるので、相掛かりの玉の薄さに不安がある人におすすめです。

弱点はただ一つ、棒銀です。

後手は22の角に紐がついていません。

したがって先手に▲76歩と角道を開けられると、後手は△34歩と突けないのです。

そこに目を付けて、先手は棒銀が有効策となります。

「先手棒銀を如何に迎え撃つか」が本戦法最大の課題となります。

基本図を4つ挙げます。

I ▲28飛型

歩交換から引き飛車にして、棒銀でひと潰しにしてやろうという思惑です。

後手は浮き飛車から右美濃に逃げ込んで棒銀をいなしに掛かります。

Ⅱ ▲26飛型

先手が浮き飛車に構えて後手の歩交換を防ぎます。

ここから
(1)左辺を充実させる(77角67銀78金)
(2)右辺で攻撃形を作る(36歩37桂)
を基本方針としつつ、隙あらば▲27銀からの棒銀を狙います。

変化が多岐に渡り、本シリーズのメインテーマとなります。

Ⅲ ▲58玉型

昨今の流行である”飛車先保留”の考え方に則った指し方です。

バランスが良い反面、玉形を充実させることが難しいのが難点です。

後手はひねり飛車に組んで駒組勝ちを狙います。

Ⅳ ▲68玉型

Ⅲ 58玉型 と同様に先に玉の位置を決めてしまう指し方です。

ひねり飛車を目指すと、先手は銀冠の堅陣に組めるのが売りです。

一方で玉が8筋に近いので、後手は左美濃+早繰り銀の積極策が有効となります。

以上4つの基本図について、次回以降でそれぞれ掘り下げていきます。

注意点を2つ

①本戦法は研究中の戦法です。

先手の冴えた構想によって潰れている可能性があります。

予めご承知おきください。

②基本的には互角を目指す戦法です。

相掛かりを終わらせるつもりは、さらさらありません。

目指すところは一手損角換わりや後手雁木ぐらいのイメージ

互角の範疇で後手の変化球の1つとして認められるのが理想です。

今回はここまで、続きます。


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この記事を書いた人

徳島の将棋好き
"急戦で先攻する"が信条
33金型早繰り銀の開発者

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