↓前回の記事
第1‐4図から(2)69飛を見ていきます。
第1-4図から
▲69飛 (第1-8図)

(2)69飛には79歩成同飛86歩同歩73桂と進めてみたくなります。(下図)

以下69飛なら65桂と跳ねて前回の記事の変化に合流します。
ところが73桂には74歩が成立します。

以下65桂73歩成64飛と進んだ局面で75銀があるのが前記事との違いです。

77桂成64銀と取り合った時に、飛車が78にいると78成桂で後手優勢です。(仮想図)

ところが本譜では飛車が79にいるため64銀に同銀と戻すよりなく、77飛と捌いた局面は銀桂交換でも次の63と〜72飛成が厳しく先手優勢です。

従って後手は69飛に79歩成は選べません。
第1−8図から
△86歩 ▲同歩 △67歩成 ▲同飛 △79歩成(第1−9図)

67歩成~79歩成でと金を作ります。
これで後手の駒得が確定しました。
一方で歩切れで飛車も押さえ込まれているため後手からの早い攻めはありません。
先手の攻めの面倒を見つつ反撃を狙うことになります。
上図から22角成同銀77桂と桂を逃がすのは、78と85桂33角で次の77とが厳しく後手が指せます。
第1−9図から
▲74歩 △89と ▲22角成 △同銀 ▲73歩成 △同桂 ▲74歩 (第1-10図)

22角成への対応は常に悩ましく、互いに飛車を成り込むような展開では66角が攻防手になるので22同銀が基本です。
本譜はそのような展開にはなりにくいので、玉を戦場から遠ざけておく22同玉もかなり有力です。
しかしながら後の26桂に対する味の良い受け方がないため、本譜では22同銀を採用します。
対して73歩成〜74歩が手筋で先手も桂を取り返す目処が立ちました。
第1-10図から
△72歩 ▲84角 (第1−11図)

と金を作られては後手必敗なので72歩はこの一手です。
先手としても次の99とで駒損が拡大するので素早く動く必要があります。
84角で馬を作り左辺を制圧する順を狙います。
第1-11図から
△99と ▲73歩成 △同歩 ▲同角成 (第1-12図)

今度は後手が忙しい番です。
64歩〜63歩成が来る前に手にした角桂香歩で先手陣を荒らしに行きます。
第1‐12図から
△66歩 (第1‐13図)

66歩の叩きが第一弾
次回以降で第1-13図から(a)同飛(b)69飛を順に見ていきます。
続きます。
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